
私の悪くなった目で遠くから見たら「二胡」を弾いているのかと思ったらば、馬頭琴でした。
久しぶりですね、馬頭琴は。
近くによって自転車を停めて、目礼をしてしばし耳を傾けさせていただきました。

きれいな楽器です。
しかも、演奏が「うまい!」
「プロの方ですよね?!」 「はい、まあそうですが。」
確かに、精度が高いばかりではなくて、聞かせる演奏です。

いわゆる馬頭琴がこういう形になったのはそう遠い昔ではないそうで、ほんの少し前までは移動する遊牧民にそれぞれの集団によって形が違っていたのだそうです。
それは演奏する側も耳を傾かる側も分散した集団の中で完結していたからに違いありません。

それがモンゴルも「国民国家」を形成していくうちに…日本の伝統的な楽器も同じですが…形も音程も次第に統一されていきます。
それがいい事か悪い事か、判断は分かれることでしょう。
ですが、「地方語(方言)」が駆逐されて『国語』という名の「標準語」が作られていくのと同じことです。

楽器の形も「洗練」され、統一化して生きますし、それと並行して「西洋音楽」との共役性を要求されていきます。
日本の尺八でも琵琶でも独特な「倍音」が混じり、ガキごとに音程が違っていたわけですが、今や洋楽器との合奏が可能になりました。そのためには西洋音階に従うしかありません。

音量だって大きくならざるを得ませんよね。
移動する一族やそれにいくらか加わった程度の集団が火を囲んで演奏し歌い踊っていたときに必要な音量と、大きな演奏会場で千余の聴衆に届くように演奏するのとではおのずから要求されるものが違います。
音楽の市場も「世界≒欧米」に広がれば、欧米の耳を意識せざるを得ません。
そうして音や音楽の相の多様性はどんどん消滅していきます。
それは同時に音楽の多様な可能性を失っていく過程とも言えます。

この方がある人物の言葉としてよいことを教えてくれました。
「音楽に国境はないというが、音楽に国境あれかし。」と。
排他的で狭小な視野しか持たないナショナリズムではなくして、・・・・グローバリズムに巻き込まれるのではなくて…外に開かれたナリズム。ナショナリズムを根城にした世界性、インターナショナリズムが目指されるべきでしょう。
この二弦の「上の方の弦」は親指で押さえたり、押したりして音程を作ります。
二胡にしても、馬頭琴にしても「二弦」しかないのに実に複雑な演奏ができます。人間の探求力というのはすごいものですね。

「馬頭」の下には龍がいました。これが最近の定番の形だそうです。
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- 2023/12/01(金) 00:00:09|
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もう11月も終わりに近いですね。
知人の漫画家が「サンタ漫画展」の案内をくれました。 そういう時期ですねぇ・・・ちなみに彼はミャンマーの軍事独裁政権の暴虐を非難する取り組みをしています。
しかし、毎年年末は、軽薄に浮かれる人々の陰で年を越せない苦しみを味わっている少なくない人々がいます。
にもかかわらず、政府はそのうちに「路上生活税」などさえ作るかもしれませんね。
声なき民のままでいいのかなあと、そう思います。

さて、そろそろ「今年はどんな年だったかな。」と振り返る時期でもありますね。
まだ早いかな。
やらなければならないことがまだまだたくさんありますものね。

急に冷え込んだ日に、つい寒さに負けてストーブを出しました。
今年の冬は「暖冬」だと言います。
このところ雪の降らない12月というイメージですが(京都市内では)、翌年の猛暑の夏とどう関わりがあるのか。
私のe・メールの受信トレーに様々な角度からの地球環境を守れという呼びかけに力を貸すようにという呼びかけがたくさん入ります。
世界の農業にも異変が出てきています。食料自給率が特段に低い我が国ですが、「安全保障」という面からも大いに脆弱ですよね。
もちろんそれは対米依存度を高める(アメリカの)政策の一環でもあるわけですが。

年賀状を書くときに、またひどくまじめな気分にさせられるのではないかと思います。
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- 2023/11/30(木) 00:00:05|
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ギターを弾いて歌っている人は東京から来ているのですです。お隣の人は京都の「サポーター」かな。
今まさに同時配信中です。
私が「撮らせてくれませんか」とお願いした声も入ってしまっているかも。

最近の私の頭の中は極めて不便、不都合な働きをしていて、ここに掲げられているボードを見て「違うなあ、違う。『停戦』というんだからウクライナ・ロシア戦争かイスラエルのパレスチナ侵略戦争のことだろう。でも、ウクライナの国旗ともロシアのそれでイスラエルの旗でもない。私たちが忘れがちなミャンマーの軍事独裁政権の凶暴な暴力支配をやめろと言っているんだろうか。」などと考え巡らして、パレスチナの国旗に思い至らない。で、「違うなあ、確実に違う。」と思いながら「ミャンマーですか。」と口に出してしまう。
この頭のぎくしゃくとして不合理な動きはますます暴走しているというのが現状です。

遠い国の空の下の人々を思って歌う。
人間にできる素晴らしい能力です。
東北の震災の時には、やたらと「自粛」を叫んだ同じ国民が、今この瞬間にも病院が焼き尽くされ破壊されて老若男女が殺害されているのに、ボールゲームにどこやらのチームが優勝したことで、乱痴気騒ぎをしている。
誰か、ちょっとだけ自重しませんかと言わないものだろうか。
本当にうれしいことで小躍りして祝いたいところだろうし、何もしないってわけにもいかないだろうけれど、そこにさらに万博や賭博場建設まで乗っけて騒ぐような人間性を欠いたことはするような輩を支持はすることだけはしないでほしい。

「話し続ける、歌い続ける」
遠いこの場所で戦争を止める力は無いかも知れないけれど、そうしないではいられないという。
同感です。
関心もをち続けると言うこと、それさえ力になる。

ここにこの人達がこうしていなければ、出町のデルタに遊ぶ人たちの誰一人として「エルサレムの地にいますぐ『停戦を!』をと叫ぶ人はいないという日本を歴史を作ることになる。
私がそれに関心を持って撮り、共感を明示的に示さなければ、二人以上の広がりはないと言うことになる。
二人が始めたら、一人が足を止め、また別の人が話しかけた・・・そう言うことが人々をまっとうな方向に進む勇気を励ますことになる。
だから、私はこのお二人に感謝したい。
歌声よ ガザの空に 届け
世界の人を動かせ!

私(蒼樹)は言いたい。
「奴ら(イスラエル)を 通すな!」と。
- 2023/11/29(水) 00:00:02|
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いま世界は多くの戦争や紛争を抱えている。
ウクライナ・ロシア戦争然り、イスラエルによるパレスチナ侵略戦争然り、ミャンマーの軍事政権の軍事的民衆弾圧。
アメリカが無法に軍事攻撃したアフガニスタンではアメリカのご都合主義的な「放置」で、事後は四分五裂の軍事紛争が続き人々は死の恐怖におびえ続けている。
アフリカでは日本ではほとんど知らされない紛争対立がいくつもある。
そういう中で日本も着々と戦争をする国へと変貌してきている。

第一次大戦後の世界を「ベルサイユ体制」といったが、第二次大戦後を何というか。
いずれにしてもいわゆる東西冷戦状態が終わり、一瞬アメリカの単独の世界支配体制が生まれた。が、しかし、今はまるで違う局面へと進んでいる。
それを多極化の時代というかどうかは別として、こういう世界の様相の変化の底流に何があるか、その特質は何か、その中で日本はどういう位置と働きを持っているのか。 実は多くの日本人(私も含めて)はほとんどわかっていないのではないかと思う。

イスラエルの「ガザ侵攻」に対して国連の総会では「【ニューヨーク=佐藤璃子】国連総会は27日、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突をめぐる緊急特別会合で、人道回廊の設置や「人道的休戦」を求める決議案を採択した。採択に必要な投票全体(賛否のみ)の3分の2以上にあたる121カ国が賛成した。米国やイスラエルは反対し、日本は棄権した。」と報じられました。
国連加盟国は日本を含めて196か国です。121か国というのは約62%に当たります。
アメリカ、イスラエル、NATO諸国、および日本などは、世界の少数派です。
日本では、例えばG7などを極めて重視していて、そのG7こそ世界を主導しているのだというような考えが一般ですが、果たしてそうなのでしょうか。
主要7カ国(G7)はが40年前には世界の国内総生産(GDP)の6割ほどを占めて世界を主導するだけの力がありました。しかし、最近では4割ほどです。中でも、アメリカはただ一国でも国際経済の中に占める力は、GDP表示で1970年には31.7%もあり、(ちなみにこの頃は二位がソ連邦で12.7%、日本が6.2%。)ました。これならG7で決められたことが、良かれ悪しかれ否応なく世界を規定していくでしょう。中小国はそれを拒否しようがありません。ですから国連などはあってなきがごとしでした。最近国連の無力が取りざたされますが、今に始まったことではなくて、それはアメリカを中心とする大国に責任があったわけです。

それが、2020年ではアメリカが21.9%へと凋落しています。
(ちなみに第二位は中国で18.4%、日本は5.3%、そしてロシアはなんと1.7%。)
アメリカの実力は、数量的は21.9%だとしても、その質、つまり軍需生産の水準や世界経済の金融情報・システムを握り食料やシェールガスといったエネルギーに関しも戦略的に重要な世界経済の管制高地を握っているという点で、中国の18.4%と単純な比較はできませんが。

ここで、私たちが注目しなくてはならないことは、
国連で121か国がアメリカに異を唱えてとしても、それの弱小国がいくら束になっても世界を動かせるわけではないという人もいるわけですが、次のことに注目してほしいと思います。
すなわち、世界のGDPに占めるいわゆる「北」の先進資本主義国と「南」の発展途上国の割合です。
今の性情を念頭に置いたときに、・・・つまりグローバルサウスなどの台頭… 中国+インド+その他のGDPシェアです。
1970年には、それ等の合計は31.6%でしかありませんでした。それが、2020年にはなんと、57.8%になっているのです。
これを国連の動きとして考えたときに、1970年ころには、先進国以外の意思が国連総会で一致して示されたとしても世界のGDPの30%の声でしかなかった(しかも先進国の経済的支配下にあり、貧困にうめいているうえ、独立性や自主性は大いに制限されていた国々が多数でした。)ものが、今や世界のおおよそ60%の経済力を代表していると言うことになるのです。

だが、そんな数ばかりの烏合の衆が何ほどのことかというでしょうか。
確かにその通りです。 そうした中小零細国がいくら多くを占めてもそれが力になんてなりはしない。
しかし、例えばASEANは内部的に利害や歴史的な対立を含みながら、非軍事的に解決するちうう明確な意思を示して東南アジアにおいて重要な地歩を占めて、ここに紛争が起こることのない世界を築き始めています。
ラテンアメリカでは、それぞれに国々の利害の対立はあっても・・・かつてとは違って・・・反米では広く一致する結合があります。
中国は「一帯一路」戦略で東アジアから中東、さらにはアフリカまでの、彼らなりの経済的な「結びつき」を提唱しています。
イスラエルのパレスチナ侵攻に対して、アラブ諸国の反米、反椅子ラルの結合はますます強化されています。
アフリカ諸国がアメリカやイギリス、フランスなどの先進資本主義国に、そろいもそろって賛同しないのは、19世紀20世紀の梃櫛木諸国の植民地支配や約束の「独立」を台無しにする干渉政策の煮え湯を飲まされてきた「共通の」経験があるからです。
- 2023/11/28(火) 00:00:01|
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年に幾度あるでしょうかね。街中での会食。
ちょっとお酒も飲んで気持ちよくなって「もう最終は行っちゃったかなあ?!」などと不確かな記憶でバス停に向かいます。
もし最終のバスが出てしまっていれば、大きく回って地下鉄に乗って、嵐電に乗り換えて、遠回りで帰らなくてはなりません。

夜になれば町は夜の顔をします。
最近は木屋町当たりの繁華街では過半数が外国人旅行者のような印象を受けます。
清水寺や嵐山は外国人観光客で、文字通りあふれかえり、「まるで祇園祭の宵山のような状態。」だという人も少なくありません。

この外国人観光客の激増は、円安の影響が大きいのでしょうが、この歯止めのない観光行政がまともなのかどうか、大いに疑問です。
大阪・維新万博で外国人観光客がどんと増えるので大阪以外の各地方でも、そのおこぼれをいかがですかと、大阪維新府市政は万博開催の仲間づくりに懸命ですが、これ以上、また劇薬的に増やしてどうするっていうんでしょうか。しかも、それは一過性で観光客の前どりみたいなものになるわけで、その時に乱雑に儲ければ、事後安定的に観光客が来ることにつながるかどうか。
万博も「儲かるから乗りませんか?」が主たるコンセプトですよね。そして「後に控えし賭場づくり」です。
周囲を多くの若い外国人観光客が取り巻いています。
結構楽しんでいるようですよ。
これから寒く隣こうした路上パフォーマーの姿も少なくなるでしょうが、クリスマスくらいまでは、盛んな活動があるでしょうね。
数年前はよくここからさほど遠くないところfで打ち合わせやミニコンサートやワインパーティーやとこれ位の時間帯に外に出ていたものですが・・・・。

その機会を作ってくれていた拠点が閉じてしまいますので、私の人生も華もアルコールも激減することでしょうね。

でも何か口実を作って外に出るようにしないと「枯れ」てしまいますね。

先ほどまで参加していた今夜のイベントの中では、いつになく何人もの演者の口から「平和」という言葉や選曲が見られましたね。
直接的には言われなくても、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエルのアラブ諸勢力への侵攻戦争は人々の心に重く影を落としているように思います。
海外から「遊び」に来ている旅行者でも「平和」「戦争を止めよう」という呼びかけには敏感です。
- 2023/11/26(日) 00:00:01|
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