以前撮らせていただいた時には彫る気迫をとらえようと前のめりになってしまって露出を間違えた。
今度の個展では迷った挙句、その写真を採らなかった。
その反省もあって再挑戦。
「また来たのか。」と思われたかもしれないが「個展をされていたんですよね。」と覚えてくれていた。
前回撮った時に制作中だった仏像が席の前に鎮座していた。

今回は、何を作っているのかなどの話は何もしないまま、「お願いします。」とカメラを出して撮り始めた。
せっかく集中して制作をしているのを乱したくないからでもある。

棒の先端に蓮の花弁を掘っているようだ。私が撮っている・・・短くはない・・・間、ずっとこの先端の花弁に取り組んでいた。根気のいる仕事だ。
切り出される細かい木屑に息を吹きかけて飛ばす。
吹き飛ばすというより、ふ~っと息をかけるというくらいの優しさに見える。
口を結んで彫るときも、唇を尖らせて息を吹きかける時も集中は途切れない。

こういう作業をとらせていただくときにできるだけ邪魔にならないように撮る方法は「真剣に撮る」ことだと勝手に思っている。
とられる側からすれば、どう転んでも邪魔に違いないのだが。
「個展に行ければよかった。」と言われた時には、単なるお邪魔虫ではなかったのかもしれないと少し安心した。

最近NHKのニュース番組で福島の原発の事故の状況がわずかしか触れられないように思う。
福島の原発事故の現状は「差し迫った『国難』」といっていいと私は思っている。
毎日定時に状況が国民に知らされるべきだと思う。特別なことがない限り報道しないということかもしれないが現状を特別な事態でないと人々に主ぴ混ませるNHKの報道姿勢が情報を取捨選択している。
私はこの事態の一つの背景は東京都知事選にあると推測している。
NHKの極めて政治的な判断、報道姿勢だ。
今春賃上げがあるかも「しれない」というようなあやふやな情報を流したり、ぜいたく品の販売状況が好転したりしているなどの庶民には縁のない情報であたかも景気自体が好転するような雰囲気を演出している。
そのことでアベノミクスの成果をイメージさせ、安倍政権と東京知事選のM候補の援護をしている。
原発問題が争点になっているから報道によってどちらかを有利にしないなどということなら、都財政問題は当然日本全体、関東地域の景気の状況が大きくかかわるわけだから、それについて好転しているという「アナウンス」はある候補を優勢にする。これでは公平さを欠く。いや本質は単に公平さの問題ではない。
原発事故問題は可能な限り過少に報道し、景気問題は針小棒大に「期待感」を膨らます。国民の生命と暮らしにかかわる重要問題で単に政権与党の提灯持ちしかしないならば、政治的偏向というしかない。
NHKの報道の在り方について国民は大いに議論すべきだろうと思う。
- 2014/01/30(木) 00:00:51|
- 工芸
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