カラーで撮るべきか、モノクロで写すべきか。それが問題なんですね。
個展の際にも何人もの方から「使い分けはどういう基準で?」と尋ねられました。
フ~ム・・・なんでしょうか?!

写真の現場は実演会場ですから本来の工房ではありません。それに観光客もいますし、観光客用のディスプレーもあります。
ですから画像にしたときにこの方たちの淡々とした仕事の空気感が乱されます。
そこでモノクロで撮っています。

このお二人は普段の「相棒」ではなくて実演上の「相方」です。
しかし、そこはさすがにこの道の達人たち。糸を手繰る手さばき、指さばきに狂いはありません。

撮影をお願いすると「ぜひこの仕事の様子を伝えてほしい。」と好意的です。
なくなりはしないとしても、こうした職人の姿自身・・・ましてや数十年のベテランの姿は少なくなってしまいます。
仕事の様子を起こすこうした写真は記録としても意味があるのかなと思い始めています。

先ほど、台湾からの方でしょうか、家族の観光客が来られました。
小学校低学年ぐらいの女の子と弟君がとても興味を持ったようで食い入るように見ていました。
作業の手元が細かいうえの速いので夢中になって近づいていきます。親御さんは邪魔にならないかと心配そうに声をかけるのですが職人さんはにこにことゆっくりした口調で説明してあげていました。
「ここに触ってごらん。この穴に糸を通すんだよ。」
日本語は分からない二人ですが、懸命にその指先を見ていました。
何かが伝わっているんですね。
数十年前の西陣の子供たちはこうした親の背中を見て育ったんでしょうねぇ。
テーマ:ある日の写真 - ジャンル:写真
- 2014/01/25(土) 00:02:18|
- 伝統工芸
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