蘭の葉が交差する際に「+」になってはいけないという。そこに目が引かれてしまうからだ。
斜めに交差することで、必要以上に目に刺激を与えない。
写真の場合も同じ。学ぶことがたくさんある。
ここに絵画の学生がいないのがなんとも惜しい。

惜しげもなく教えてくれる。

写真を撮るんだったら、・・と繰り返してもくれる。職人の家業的な秘密主義はまったくない(最もこちらがこうした分野の素人と分かっているからかもしれないが)。
「立派な写真家の先生が撮ってくれるんだから・・・。」とこちらをからかいながら。
この方には丸山応挙の流れを継ぐ自負がある。そして他流をも学んできた知識と技の力がある。

それにしてもこうした面では京都はありがたい。「一流」の方がその辺にたくさんおられる。この方も経済産業省から認められた「伝統工芸士」だ。
今まで出会った伝統工芸士のどの方も、気さくに私のぶしつけな質問に答えてくれ、カメラに収まってくれた。

そこで長年「職」に携わってきたお人柄に触れ、技術に触れ、制作の姿に触れさせていただいた。
長年、京都に住んでいながら、これまではもったいないことをしてきたものだ。

今日はどうもありがとうございました。
「いやいや。また、ぜひどうぞ。」

本日から写真展が始まります。
京都寺、寺町丸太町を東に20メートルほどにある「ギャラりー知」が会場です。
写真を並べてみて思うことがあります。
これは高校生の頃に撮りたかった写真だなあ、ということです。高校生の頃私は人物写真を撮りたかったのでした。
定年退職後に若い日に夢見た楽器を手に入れて再びバンドを組んでみたり、旅にでてみたり、・・・・などなど青春のやり直しみたいなことをする人が少なくないようです。この私も実はそういうことをしている一人かもしれません。
高校生の頃と今とでは、間に数十年の歳月・経験が挟まれていますから、まさに螺旋的な回帰ということでしょうか。
私が写真に撮りたい対象も、その撮りたい「瞬間」も構図も「古い」のはそのせいでしょう。
その数十年の間に写真の世界はずっと新たな展開をしてきたのでしょうが、浦島太郎の私は周回遅れで楽しんでいるという状況なのだろうと思います。
でも、まあそれは構わないと思っています。自分の「撮りたい」から離れて撮る理由は、私にはありませんから。
実は、私が写真を撮るうえで使っている「蒼樹」という名前も、高校生の頃のペンネームです。
私はあの頃から一歩も進んでいないのかもしれません。
だとすれば、・・・・。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2014/01/07(火) 00:00:16|
- 伝統工芸
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| コメント:8
いよいよ、今日から写真展ですね。おめでとうございます。
休みの日に伺いたいと思います。楽しみにしています!
- 2014/01/07(火) 06:29:28 |
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- kimさん #-
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ありがとうございます。
新年早々開く展示が寂しいと、ギャラリーに申し訳ないなあと思い、当初はそのつもりがなかった方面にもついお知らせすることになって、ブログにもしつこく書いてしまいました。
とばっちりを受けた皆様には大変申し訳なく恐縮しています。
ご無理のない範囲でお越しください。歓迎いたします。
- 2014/01/07(火) 08:30:41 |
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- soujyu2 #-
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遠方より来ていただくことになって恐縮です。お会いできることをとても楽しみにしています。
昨日写真を並べてみて、何も知らない素人のすることだなあとつくづく感じました。まあそれも一興で本人の成長の一階梯になればと自分自身を慰めてはいますが、見せられるほうは閉口するでしょうね。
とはいえ今日からの2週間、楽しく過ごそうと思っています。では、また。
- 2014/01/07(火) 08:34:41 |
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- soujyu2 #-
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周回遅れで「楽しむ」という事は2倍、3倍以上に楽しむ事が出来るのかも知れませんね。
写真展へ行かれないのが残念です。ご成功をお祈り致します。
- 2014/01/07(火) 20:21:35 |
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- kantere #-
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高校生の頃からしたかった事を今っての凄いですよ♪
色々と変わっていってしまっていますものね…
自分が高校生位には何々がしたかったってのは無かったなぁ~~~(^_^;)
- 2014/01/07(火) 21:14:44 |
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- ちょーみん #5lDNG.oQ
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> 周回遅れで「楽しむ」という事は2倍、3倍以上に楽しむ事が出来るのかも知れませんね。
急がば回れかなあ。同じことをしても若いころとは見る目も感じる力も違うはずですから、2倍3倍楽しみたいですね。
> 写真展へ行かれないのが残念です。ご成功をお祈り致します。
ありがとうございます。この個展を栄養にしてまた頑張って写真を撮れるようにしたいと思います。
- 2014/01/07(火) 22:51:50 |
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- soujyu2 #-
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幸い高校生活は「疾風怒濤」というにふさわしいものでした。そこで考え感じたことは今日までの生活の軸になっています。
むしろその後の生活がそれに追いついていないという感じです。
ですから、別の言葉でいえば過去に縛られているともいえますが、その後の職業生活も含めて、すべて高校生の時の自分の目を意識しています。おかしなものですね。
今日の個展も高校生だった自分への一つの答えかもしれません。
- 2014/01/07(火) 22:56:51 |
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- soujyu2 #-
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