京都盆地の西北の地、愛宕山への登り口付近に「化野(あだしの)念仏寺」があります。ここはかつては南東の方角の鳥辺野と並んで代表的な葬送の地でした。昨日の広沢の池から西方に望める辺りです。
「明治」の中期に無縁墓になっていたものを集めたのだそうで、毎年の地蔵盆の時に「千灯供養」をすることで有名です。・・・私は京都に移り住むまで地蔵盆という風習を知りませんでした。
念仏寺の山門に通じる道にはいく軒ものお土産屋が店を連ねていますが、そのうちの一軒は百数十年前の家屋をお店に改装したもので奥に苔のきれいな小さな庭があります。
この建物の板戸には絵が描かれていたり、その引き手には刀のつばがはめ込まれるなど、建てた人の趣味と富がしのばれます。
さて、表から奥に見える庭に惹かれて店に踏み入れると香がたかれていて良い感じです。
するとお店の方が竹を切った湯呑に冷たいお茶をふるまってくれました。カメラを手にした怪しげで何も買いはしなさそうな「客」なのですが・・・・。
こんな庭に向かった縁台に腰をおろして冷たいお茶をいただくことができます。

「いつ頃の建物なんでしょうね。」・・・・というわけで板戸や建物の中にのこる井戸(この井戸はわずか数メートルの深さで水が見えました。)などを見せていただきお話を伺いました。
ふと見ると団扇があります。季節を演出していますね。
お茶を運んでくれて、いろいろとお話をしてくれたのがこの方です。なんと九州の方です。化野で九州の方にお会いする。そういえばつい先だっては「哲学の道」で仙台の方にお会いしましたね。しかも、そこで働いておられる。
向こうにお客さんが見えますが、平日はさほど人出がないそうで、ことに震災後は海外からのお客さんがぱたりとやんでいるそうです。

店の様子や庭の撮影許可を頂いて撮っているうちにいろいろな写真の話になり、「女性に『撮らせてほしい』というのが難しくて、・・。」と話すと「もうひと押しですよ・・。」とアドバイスをいただいたので、「じゃあ早速ここでもうひと押しします。」というと笑って応じてくれた。

お気づきだと思いますが、2枚目、3枚目の写真はこの方が演出に協力してくれたものです。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2011/07/05(火) 00:03:00|
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