職人の中に若い姿を見ると、ある感慨が起こる。

この方は金彩をされる。
本来は「絵」を描くことを中心に考えておられるのだけれど、父親の金彩の仕事を学びながら、この仕事もしている。
この仕事は布に張ったマスキングテープを、これから金彩をする部分切り抜いているところ。
以前にもご紹介したように、この仕事は最終段階ですから、ことのほか失敗が許されません。もししくじればこれまで積み重ねられてきた職人たちの仕事を台無しにしてしまいます。

「絵を描くうえでもとても勉強になるんです。」
マスキングテープをカッターで切っていくのは見ているほど簡単ではないらしい。と言うのもテープはきれいにカットしなくてはならないけれど、当然下の布地を傷つけるわけにはいかない。
かといって、絶対に布地に刃先が当たらないできるということもこともまたできない。

このような「実演」の場に持ち込も仕事ではなかったようです。ですから観光客はお隣の大ベテランにお任せして、集中をとぎらさないようにしています。
少し厳しく見える目交がその仕事の大切さを示しているようです。

なんとかその空気をとらえようとするのですが、このごろ一段と弱くなった視力に邪魔されてフォーカスに苦しみます。
AFではとらえきれないので、MFを使うのですが、ファインダーに目を食い込ませたくなります。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2014/01/04(土) 00:02:33|
- 伝統工芸
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集中してるお顔に継承という背負うものを感じますね。
ちょっとステンシルにも似てる部分があるように思いますが…
これは昔から欧州と日本の交流も関係してるのでしょうか。陶器の世界も欧州には日本のデザインが影響を与えてますよね。
敬愛する牧師の一人に、以前着物地の柄を描く仕事をしていた方がいらっしゃいます。このようなお仕事は真摯に向き合わなければできませんね。
- 2014/01/04(土) 20:46:25 |
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- carmenc #-
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若い方は余裕がないだけに、ある種、すがすがしいまでに集中しますね。
その姿を好もしく感じます。
またその一方で、技を愛し、その仕事を終生のものとしてきた方々のゆとりある表情もまた捨てがたいです。
- 2014/01/04(土) 20:56:34 |
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- soujyu2 #-
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写真でご紹介している手法はステンシルと原理は同じですね。金彩にはこのほかにも多種多様な手法があります。
文化・芸術は常に相互に影響しあいますね。中国・韓国などアジアや、西洋から日本に流入して影響を与え、日本に根付いたものが、またそれらの地域に伝播していく。それぞれの地域には個性的な文化がありますが、世界から孤立して自分だけを誇ることのできるものはないのだと思います。多様な世界が相互に刺激しあい学びあえる現代はますます豊かな文化が生まれそうで楽しいですね。
- 2014/01/04(土) 21:05:06 |
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- soujyu2 #-
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