もう今年も残すところ・・・・、という、いつもの言葉が思い浮かびます。
京都は日本列島の地理感覚でいえば内陸部にありますが、気候は太平洋側に日本海側が進出してきているといった感じです。
私の住むあたりは「北山時雨」が降ります。全天晴れていたかと思えば突如として霧雨のような細かい雨が冷たくサーと降ります。
さて、師走の風景と言えば大掃除ですね。高度成長期ころまでは、畳を叩いて一年の埃をきれいにする情景があちこちでまだ見られました。ことに「地方」では。
その畳も家屋のあり方、生活の在り方が変化して需要が大きく減ってきています。

フローリングにテーブル・椅子の生活が一般的ですからね。
ある方が海外生活をされた方が帰国してやりたいこととして、湯船につかってお風呂に入るなどと並んで実は畳の上で大の字に寝たいなんて言うのがあるんだと書いていました。

京都には神社仏閣がありますし、その意味では畳の需要は他府県よりも多いのでしょう。
そうした、例えば本願寺さんとか、あるいは御苑の迎賓館とかの大広間の畳は、お一人の職人が引き受けて差配するのだそうです。
そうしないと微妙に畳どうしが合わないのだそうです。

日本のイ草の産地はずいぶん縮小しています。中国で生産し輸入するのが多くなっています。
「昔は中国産と国産はすぐに見分けがついた。中国産はかたくて折れやすかった。しかし、今ではそれを見分けられる人は職人でも多くはないのじゃないですかね。よくなりましたよ。」

「中国でのイ草改良のために土を持って行ったんですね。イ草を育てるためだけでなく、イ草は泥で洗うことで色を出しますから。でもそれではだめだったようですよ。
日本の畑は100年以上の歴史を持って作ってきたものですから、簡単にはいかんわけです。でもそれから土壌改良をして、今ではそん色ないものが作れるんですね。」

TPPをめぐる話の中で、外国から安く買えるものは国産にこだわる必要はないという議論を聞きます。
このイ草の話からいくつかの教訓を学ぶことができそうですね。
失われた土地は数十年、100年を超す展望がなければ回復しない。田畑と言うのは単に面積としての土地ではないということですね。それは人間と自然条件と時間が作る創造物だということです。
それを貨幣額でしか想像できない人々が政治や経済を主導しているところに問題がありそうです。
と同時に、日本の伝統技術を語るときに日本の文化が優秀であることを過剰に言いつのる傾向がありますが、お互いに学びあいその地の特徴を生かせば・…日中にかかわらず・・・どの国の人々もそれぞれに高い達成ができるということです。
あっ、お客さんです。
人形や茶器の台座などが品よく作られています。お土産にもちょうどいいですね。
でもこうした小物で簡単なものに見えるものでも縁をつける技などは、決しておろそかなものではないのです。


今日も素敵な人を見つけました。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/12/22(日) 00:03:45|
- モノづくり
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職人のお顔はいいですね〜
年輪も、その世界で生き抜く事の厳しさも、誇りも
伝わって来ます。
いつも被写体と信頼関係を瞬時に気づいてらっしゃるのが分かります。
- 2013/12/22(日) 16:54:08 |
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- carmenc #-
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コメントありがとうございます。
仕事に打ち込んできた方の顔はいいですね。
私の父は紳士服の仕立て職人でしたから、ついこうした方々に目が行くのでしょうね。
- 2013/12/23(月) 12:58:45 |
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- soujyu2 #-
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