現在、認定登録されている伝統工芸士は四千数百名で、うち京都にはその約四分の一の方がおられる。
経済産業大臣の認定する称号。
この方もそのうちのお一人。お仕事は「京鹿の子絞り」 そのうちの「本疋田絞り」を専門とされる。
正方形の枠の中にぽつんとマルク染まった部分があるよく知られた模様になる。

この技は10本の指が全てです。他にこれといった道具も使われません。

ご覧頂くと一枚目の写真では右手の指に糸がぐるぐると巻きついています。
2枚目では指のごくごく先ですべてが決まることが分かると思います。

あまりにもみごとで素早いので私の撮影が追いつきません。それでこの方としては不自由なぐらいゆっくりと括ってくれているのです。
「いつもと同じようにしてください。」とかっこつけてお願いしていますが、ついに糸も括りもとらえることができません。

括る糸は「撚ってない糸」です。つまり繊維の束のままなのですが、そうしないと括った場所に染料がしみ込んでしまうんのです。言って見れば糸の帯を重ねながらずらして行って括るという感じですね。

この方が着ておられる服も総絞りですが、これは京鹿の子絞りではありません。愛知県のほうの絞りだそうです。絞って先端に残す部分、そこも染められるので点となるのですが、それが少し大きいのです。京鹿の子絞りはこの点が小さいので、作業はより難しくなるのです。
絞りの技術自身は奈良の正倉院の中にもみられるものだそうです。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/12/13(金) 00:00:52|
- 伝統工芸
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