平安神宮の近くにとても面白い場所があります。
普段のギャラリー巡りや寺社巡りとは極めて異質な興味を呼び起こされる空間です。
以前にも紹介したことがある「カオス」という、まるでありとあらゆるおぞましいものぶちまけた雑然としたような、物置のようなギャラリーです。
この、平安神宮、南禅寺、京都市美術館、国立近代美術館などなどといった京都らしさと芸術のメッカのような地域に打ち込まれた棘のような存在。「カオス」
私は時々その空気を吸いに出かけるのですが、3度に一度はドアの横にボール紙に「〆」と無造作に書いたものがぶら下がっています。
あるときたまたまドアが開いていたので入りこむと、個々のオーナーでいろいろなオブジェや装飾物を製作されている方が、若い活け花作家とが、この場所でコラボして、展覧会をされるのだという耳寄りな話を聞きました。
私が密かに「怪人」とニックネームしているオーナーとコラボしようなどという大それたことに挑戦されるのがこの方です。

この展覧会は「カオスとコスモス」 っこの会場はまさにカオスにふさわしい雑然さを持っているわけなんですが、そこに「コスモス」を配するというのです。

何しろ「カオス」を表現するのに会場はとても暗いうえに照明にセロハンがかぶせられていますから、私の技術とα900の能力ではいささか苦しいのです。
準備が終わると和服に着替えて登場です。
何しろ活け花の作家ですから。
カオス=混沌にコスモス=秩序を与えようというのです。

それにしてもこの方は特に注文をつけない限り、終始この笑顔です。
コスモス=宇宙の壮大なエネルギーは、暗黒星雲のようなカオスを取り込んでその一部に吸収していくのでしょう。

いずれにしてもこうした方が大先輩のカオスに挑んでそこに美を作り出そうという、その気構えは立派だと思います。
私はこれまでどちらかといえば人間の肯定的な面に着目して写真を撮ってきましたが、深みのある写真はそれだけでは生まれてこないのだろうと思います。

カオスとコスモス、光と影、動と静など、相対立するものの結びあった現実を描けたらなあとふと思いました。
活け花作家さんへ 写真をお送りしようと思ってEメールに添付して送信したのですが、メールが届きませんでした。もしよければそちらから蒼樹までメールをお送りいただけると、その返信に添付できると思います。ご面倒ですがよろしくお願いいたします。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2013/11/29(金) 00:00:02|
- 未分類
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0