和田則昭さん。 京都府伝統産業優秀技術者 型紙彫刻師として、いわゆる「京の名工」のお一人です。
京友禅の型紙を彫刻されています。

この方の写真を撮らせていただくのは2度目になります。
上の写真は「この前写真を撮らせてくれといった人はこうして出来上がりを確かめているポーズでと言って撮ったけれど・・・・。」と言ってポーズしてくれました。
実に気さくな方です。

私は基本的には、「しているような」は撮りませんので、実際に作業をしていただいて撮ります。
そうしないと目や顔や指先や腕の筋肉の動きが嘘になってしまうからです。

この型紙は柿渋を塗った和紙ですが、これを白生地に置いて切り抜いたところに染料をさして染めていきます。ですからこれ自体が最後の作品とは・・・普通では・・・なりません。
まあ経済学の用語でいえば中間生産物で最終生産物にはならないわけです。
この方は経済産業省の指定する「伝統工芸士」でもあるのですが、こちらは「型染め部門」の職人ということで、あくまで染め終わった着物ができてこその仕事として、独自の評価をされていないわけです。
「だから実際一番うれしいのは『京の名工』になれたことかなあ。」とおっしゃっています。それが「型紙彫刻師」という独立した技を評価しているからにほかなりません。
「『士』より『師』がうれしいなあ。」とも。
私はここに和田さんの自負心・仕事にかける誇りを感じました。

友禅染の工程のたくさんの分業の一つである型紙彫刻ですが、それを独立した職人技として「作品」を制作されるようになっています。
今切っているのもそうした作品の一つです。

それが、これ。

まあ、実に見事とも何とも言いようがない精巧さなんです。

「ワシはインターネットだとか何とかよう分からんが、ホームページを作ってもらってごちゃごちゃやっていたら最近は体験したいという人も増えて、作品としてほしい言うてくれる人も出てきて・・・。」とこれからもやる気十分なんです。

私が本当は工房での撮影をしたがっているということをよくご存じですから「来たらいいよ。」とおっしゃっていただけました。

テレビ取材やプロカメラマンの様にライトなどをもちこむことはできませんから、悪戦苦闘の末無残に敗れるかもしれませんが、和田さんの来年春の個展までに押しかけたいなあと密かに思っています。

私は「秘密隠蔽(保護)法案」に反対です。
安倍内閣不信任。衆院解散・総選挙を求めます。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/12/01(日) 00:04:15|
- 伝統工芸
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| コメント:4
うれしいお言葉ありがとうございます。
こうした方々に出会えるのは幸せなことです。
世の中にはよい仕事をしようと打ちこんでおられる方がたくさんいます。
金融技術や株式の投資などで、金が金を生むのに血眼になっている人たちよりずっとずっと気高いと思って撮っています。
またぜひおいでください。
- 2013/12/01(日) 21:11:07 |
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- soujyu2 #-
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以前住んでいた三重県にも「伊勢型紙」というものがあります。
繊細な模様に手仕事の奥深さ熟練された技術を
感じます。
- 2013/12/03(火) 20:27:12 |
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- kantere #-
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> 以前住んでいた三重県にも「伊勢型紙」というものがあります。
日本全国にはその地方の個性を持った染めや織りの技術があるようですね。その技術が継承できるかどうかは京都にいてさえ?難しさをひしひしと感じますので、なかなか苦難の道なんでしょう。
京都のものさえ残れば「伝統技術保存」ということでは決してないと思います。
失われてしまえば復元が難しい伝統工芸を国民の文化遺産として今日に生かす工夫をしながら残してほしいものですね。
コメントありがとうございました。
- 2013/12/04(水) 08:07:44 |
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- soujyu2 #-
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