家紋の事典のような書物があります。
世界にも珍しい文化ですが、日本全国には実にたくさんの家紋があります。
小学生のころだったか中学生のころだったか。百科事典や近所の墓をまわってそうした紋を集めて大きな模造紙何枚かに描いて夏休みの研究にしたことがありました。
花や木などの植物、あるいは小動物。傘などの日常の道具類。そして幾何学文様。欧州のような猛々しい画はほとんど見られません。大型の動物でも牛や馬です。日本の文化を考える上で面白い傾向ですね。(・・ここから日本人は本来平和主義で好戦的ではないなどという安易な結論を出すべきではないと思います。事実、戦国時代などは敵の首を刈る「首狩り族」だったのですし、明治期以後10年ごとに対外戦争を繰り返してきたのですから。議論の位相が違うのですよね。)
ト、そういうことは措くとして、・・・・。
こういう資料に基本形が網羅されているのだそうです。
しかし、たとえば蝶の図でも、この本にある蝶とこの方の描く蝶とでは、蜜を吸う管の太さなどにはっきりと違いがみられます。
「それはこの紋を描く家々によって違うので、私が描いているのは先代から受け継いできたものです。ほとんど同じように描かれた紋ですが、私らが見ればそれが私の描いたものかどうかは分かるんですね。」

目の前で何度も何度も同じ蝶の紋を描いてくれました。
布に描くのですから縦糸と横糸の交差する凸凹した面に同じ太さの細い細い線を滑らかに描くということは、大変に難しいのだと思います。

タヌキの毛を3本中心にした筆を使って描いているのだそうで、やはり腰の強さなどから中心は狸なんだそうです。
多くの紋が円形ですから、コンパスも使います。当然筆がつきます。
その様子もわざわざ見せていただけました。

一気に円を描くというのではなくて、少し弧を描いては少し戻りまた次の弧を描くという風に行きつ戻りつします。

直線のひき方、平行線のひき方です。
足利家の「二つ引き両」、北条の「三つ鱗」などではぜひ必要ですね。

完璧に同一性を保つ。それをなし得る技術は並大抵ではない。布に描く線。それもデザインとして視認性を保つ限界で細い線の極限の追求でもあります。
こういうことをめざす修行をする人はもう出てこないのかもしれません。

原子力発電所を売りこんだ安倍政権は、今度はトルコと、武器の共同開発をするんだそうです。かつての武器輸出三原則の精神はどうなったんですか。
武器の開発にも協力してやるから原子力発電所を買えといったんでしょうか。
現政権に対して軍事的支援をするということはトルコにおける政治的対立により深くコミットすることになります。そのことはトルコ国民の広範人から歓迎されるわけではありません。
政治的不安定地域に原発を売り込む。それがどういうリスクを負うことになるか。現政権に軍事的てこ入れをすることがどういう政治的意味をもたざるを得ないか。日本国民は無関心であってはいけないと思います。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/11/14(木) 00:42:00|
- 伝統工芸
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西洋には、ライオン柄やクレスト等の家紋にあたるものがあったと思います。 結婚をすると両家の紋章を巧みに組み合わせた、新しい紋章に変化をしていくのを、一時期興味を持ったことがありました。
定規とガラス棒を使って平行線を引き技法は"溝引き"と呼ばれるものでね。
私も学生時代に習得しました。
- 2013/11/14(木) 13:05:31 |
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- Hudson Terrace #ZeBYuJyY
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> 西洋には、ライオン柄やクレスト等の家紋にあたるものがあったと思います。 結婚をすると両家の紋章を巧みに組み合わせた、新しい紋章に変化をしていくのを、一時期興味を持ったことがありました。
代を重ねるとずいぶん複雑になっていくのでしょうかね。
> 定規とガラス棒を使って平行線を引き技法は"溝引き"と呼ばれるものでね。
> 私も学生時代に習得しました。
この手法は私は小学生ころに父親に教えてもらいました。竹の「物差し」にある溝がこういう風に利用できるということを知ってとても印象的でした。中学のころには「技術・家庭科」で製図をするのが好きでしたから中学生には立派すぎるコンパス、ディバイダ、T定規、雲形定規などを買ってもらって図面を描くのを楽しんでいました。多分、Hudson Terrace さんも同じだったと思います。
「文系」「理系」などというおかしな区分で子供を育てる悪しき教育がなければ、もう少し総合的に力を持てたのになあと悔やまれます。いつまでこんな馬鹿げた教育法をとるのでしょうね。
- 2013/11/15(金) 07:58:09 |
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- soujyu2 #-
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