先日ある方のご好意で「祇園をどり」を見ることができました。
長年京都に住みながら花街の敷居がとてもとても高くて鴨川おどりも都おどりも見ることはありませんでした。
舞台の上で舞う舞妓さんや芸子さんに見惚れたのは言うまでもないことですが、着物の見事さにもうならされました。その着物を作る人々に出会えるのも京都ならではというところでしょうか。(無論、金沢でも東京でもあることですが。)

この方は着物の最終工程に近い、箔を置く仕事をされています。
金箔を施したいところに糊をひき、そこに箔を置いて付着させるのです。

豪華な着物になりそうですね。
円錐形の道具は、友禅染の絵を描くときに、染料が「なく(塗るべき区域からにじみ出すこと)」のを止めるために糊を置くものと同じです。
既に何ヵ所かの糊をひいた場所に金箔が置かれています。
これを筆で箔と余分な金箔が細かく破れてはがれます。

金は貴重(最近はずいぶんと金相場が上がってきていますからなおさらです)ですから、こうして吸引して回収します。
掃除機の中の集塵パックは、そのまま業者に渡すと丸ごと焼いて、金銀を溶かしだし、インゴットに再生するのだそうです。
その時紙パックはもちろん埃などの不純物は燃えてしまうわけです。
これはこれで専門業者があります。

この職人さんに「写真を撮らせてもらっていいですか?」とお伺いする際に、これまでに私が撮った写真の何点かを見ていただいたのですが、・・・。
「この人は知っているよ! 私の師匠です!」とのこと。
しかもその師匠さんはこの方の義父に当たる方だそうです。
これまで、ここで職人さんをたくさん撮ってきましたから、ついに人と人とがつながってしまいました。

大切な着物の制作途中でしたが、私の無遠慮な質問に丁寧に答えていただき、「こうしてするんですよ。」と貴重な金箔を使って見本まで示していただきました。

いつものことですが、職人さんが仕事をする時にはその周囲に張り詰めた空気が漂います。
この空気を撮れるようになればなあと思います。

私は「秘密保護法案」に反対します。
私たち写真を愛好するモノはこの法案に反対しましょう。
「見るな、聞くな、伝えるな。」 それが「秘密保護法」の中身です。
沖縄にカメラを持ち込めば警察の目が光る。だって沖縄は米軍の島、自衛隊の島、国境の島。
海水浴にカメラは禁物。だってそこには原子力発電所があるから。
飛行機好きは写真を諦めたほうがいい。 自衛隊の航空ショウなど無論ご法度だ。飛行機を写せばP3Cかもしれず、オスプレイだったらどうしよう。
山頂から景色を撮るモノは某国のスパイ扱い。そこには自衛隊の施設があり港には自衛艦が、米海軍の艦船が。 景色の中には原発への進入路が映り、交通体系の「要所」が映る。これを某国に売り渡せば・・・。あなたの背後に警察の目が。
「撮り鉄」の持つ鉄道の時刻表だって「航空機用のジェット燃料」の輸送計画が読み取れるかも。
うっかり東京でカメラを取り出そうものなら、安全保障会議の主要メンバーの車が映り込むかも。彼らの動向は国家機密。
なにが国家機密か分からないからなにも撮らないのが「ご安全」
写真が撮れない社会を作る「秘密保護法案」
私は断固反対です!!。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/11/09(土) 00:04:25|
- 伝統工芸
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素敵な人たちを探し当てるのは大変だと思うけど、中々良いポートレートですね。
DEN
- 2013/11/09(土) 17:54:40 |
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