大学時代の同窓生が岡山在住の仲間の呼びかけで岡山に集まった。
よく飲み、よく歌い、よく議論をして、同じスナックに同席して我らが大騒ぎの迷惑を被った方から「こんな同窓会ができて羨ましい」と言っていただいた。しかも「個展にはぜひ行きたい。」とまで言っていただいた。岡山の人は皆いい人だ!!(と、酔った頭で思った。)
翌日は皆で倉敷に出かけた。
この日は倉敷では屏風祭り。
町は賑わっていた。
そんな中でちょっと路地に入った場所で「手作り市」が開かれていた。

昼食後は散会となったので、友人二人とぶらついたのだが私がわがままをいってここに来た。
普段はもう少したくさんの出店があるとのことだったが・・・。
そこで妙な楽器を演奏する方に出会った。
この竹の筒にはビーズがたくさん入っているそうだが、まるで南海の青い海のサンゴの海底で聴くような妙なる音がする。もっとも私は南海の青い海に潜ったことはないが。
波の音ではなくて、ちりちりというきらめくような輝きと涼やかさをもった音だ。「ちりちり」ではこの音を表現できていないのだが、ほかに擬音が思い当たらないから仕方がない。

下の楽器を異瓢琴というらしい。この人が創ったのだからこの人が命名する権利がある。余人に文句は言わせない。そこが実に愉快。
筒の部分が竹。この方は元来、竹で箸を作ったりする竹細工職人。
そして共鳴部と音の出口が瓢箪というわけ。

幾分音が小さいから電気的に増幅するようにも作られているが「やはり生の音がいいからこのままで聞いてください。」とのこと。
なにしろ聴衆は我々を含めて3,4人だからちょうどいい。

世界に他にはない楽器だから楽譜も独自だ。この人にしか分からない。
そこがまたいい。
繊細なか細い音が出る。まあハープの一種になるのだろうか。

「ファ」の音がないんだそうだ。「ファ」を入れると和音がきれいにならないからという。
「ギターを弾く人には理解してもらえるんだけど・・・。」といわれるが我々3人はその方面は不調法。
少なくとも私には何故「ファ」の音を除くのか理解できなかった。

日本のあちこちで一家言をもって生活を、文化を耕している人がいる。
この人の周囲にこの人の演奏を楽しみにして集まる人がいる。
手作り市を楽しんでいる人がいる。実はこの同じ日に岡山市の方でも大きな規模で手作り市が開かれているのだそうだ。

日本の文化は日本の庶民がつくっている。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/11/03(日) 00:05:22|
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