大きなガラス窓、というよりガラスの壁を通して何やら飾りつけられているオブジェが見えます。
何だろう?
するとガラスの奥から「どうぞ中へ」という身振りが見えます。
誘われるままに中に入ってみると足元には足の踏み場もないほど陶器の仮面たちが床一面に広がっています。

手指が汚れているところを見ると、まだ展示が完成していないのかもしれません。
「中に入らせてもらっていいんですか?」
話していくうちに「写真を撮らせてもらっていいですか。」になったのですが、私が全身を撮るために床に座り込むと、この方も・・・・。
あれあれ、それでは・・・。

なんでも、一旦、展示の飾りつけは完成したのですが「壁面に取り付けた焼き物の面が、数が多いせいもあってメインのオブジェより強くなってしまったので、今日の朝から急きょ床に並べるようにしたのです。」ということで、それがまさに完成したところに、私が入ってきたのだそうです。

今回はこの方は制作の方ではなく、企画、展示の方で力を発揮しているんだそうです。

壁に展示されている、顔の無い顔、乳房、そして脚。

「人間の顔って、その人自身だけで作って行くものではなくて、他の人との関係の中で作られていくもんだと思うんです。他人が作って行くといってもいいかもしれません。
ですから、あそこには無表情な顔があって、これを見に来てくれた人がそれぞれ思い思いの顔を作ってもらうという企画なんです。」

成程、それでこんなにたくさんの「思い思いに作った仮面があるのですね。」
それは小学生や同級生や年配の方などが作ったものでした。

「これからこの仮面を割って、それを素材にしてオブジェを作るんです。」
ということで、まだこの制作過程は途中で完成していないというわけなんです。
長い一連のアクション全体が作品というものです。
「今日はまだ展示が完成していなかったし、服も作業服ですからお化粧もしていないんです。」
「いや、こうして白い塗料の付いた指をほほに当てれば君らしいお化粧になりますよ。」といささか気障すぎる私。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2013/10/17(木) 00:02:45|
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