10数時間でヨーロッパに飛べる時代に、東アジアの国々は、いまだに「近くて遠い」
そうなる原因を互いが互いに押し付けて、結果として、いがみ合う空気はいつまでも海に漂う。
あるTV番組の中で、京都にある関西語言学院の松尾学院長が「戦闘機一機を買うお金があれば、それを留学生の支援につかったほうがはるかに両国の安全と平和につながる(趣旨)」とインタビューアーに応えていた。
全く同感である。
そっちがその気なら、こっちにも考えがあると、武器をさらに積み上げるのは一種の小児病だと思う。
そんなことより互いが互いを理解しあうための交流を深める方が・・・本当に平和と安全を望むのなら・・・ずっと意味がある。
この方は韓国の水墨画家の申泰洙(しんてす) 氏です。

現在の韓国が置かれた状況に対する心境を二つの島を象徴として表現しています。
日韓の間にある「済州島」、韓朝間の厳しい対立を背負う朝鮮半島の西に浮かぶ白ニョン島。

氏は、そこにある厳しくも悲しい歴史と現状を、告発や闘争の表現ではなくて、その島々に対する静かで深いいつくしみの心で描いています。
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海上に浮かぶ島々は、海によって半島と隔てられていますが、しかし、氏の表現は海の波に隠された島の根が半島と固く分かちがたく結ばれて確固として存在する実在感を感じさせます。
日韓、韓朝両国の人々が、互いの周辺の島を「ここは私たちの島」だとして、それぞれ深い愛着を感じるとしても、それをお互いに非難したり排撃する理由はないと私は思います。ただ政治がそれをゆがめるのです。
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この方は日本語ができません。そこで日本に来ていて日本語が堪能な若い方が通訳の労をとっています。
私の分かりにくい質問も、丁寧に通訳して伝えてくれました。
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日本に作品を持って来ていただいたことへの感謝を伝えました。
日韓にしろ日中にしろ、「友好」はこうした実際の行動の積み重ねによって形成されていくと思います。
濃く黒々とした墨で描かれる部分はやさしいさ感じさせる一方で、しかし他方で力強さを感じたのですが、「私はそんなに強い性格の人間ではありません。」とのお答えでした。
(⇔)
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/08/23(金) 00:05:48|
- 絵画
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