帰路はローマの空港をたち、ミュンヘンへ、そこからフランクフルトを経て成田へ。
乗り継ぎのために降りただけのミュンヘン、フランクフルトでしたが、イタリアの雰囲気との違いに驚き、声をあげてしまいました。
空港の建物のインテリアの違い、空港内の各店舗のデザイン、行きかう人々のファッションと歩く姿勢の違い。無論、人々の骨格や顔立ちも違う。
イタリアではアルマーニにフェラーリが似合い、ドイツではBMWにモンブランの万年筆が。
これはまたあらためてじっくり見に来ないと・・・などとぶつぶつ言いながら、成田への飛行機に。
ここまではルフトハンザでしたが、ここからはANAです。
・・・・・・ルフトハンザの機内で、ラテン系の国の団体さんが乗り込んできました。そのにぎやかなことにぎやかなこと。まるで大阪のおばさんの団体が突然現れたよう。自分の座席をいつまでも決めないで、あっちに変わりこっちに変わり。手荷物もいつまでもイスの上や床に置いたまま。まずはおしゃべり。機内アナウンスは安全ベルトを締めるように指示しているのだが、座席に後ろ向きに座っておしゃべりに夢中の人もいる。
ついにはリーダー格の中年男性が、まるで小学生の騒ぎを鎮めるように一人一人に声をかけて、・・・ちょっとちょっとおじさん。機長が、シートベルトをしめよ、間もなく離陸態勢に入るといっているよ。立ち歩いたんじゃまずいんじゃないの?!・・・廻っている。
まあ、だからといってキャビンアテンドがそれを制止しに来るわけでもない。
(それと対照的に日本人の一行は、キチンと背筋を伸ばし、しっかりベルトを締めて黙然として鎮座している。)
飛行機が無事にフランクフルトの空港にランディングするとその団体さんから期せずして一斉に拍手とともに歓声が上がる。
まあ、飛行機事故のニュースが世界を駆け巡りましたからね。
こういう生徒たちを連れて修学旅行などに引率する先生がいたとしたらずいぶん骨が折れるでしょうねぇ。
・・・・・・・・・閑話休題・・・・・・

ルフトハンザから乗り換えてくるとキャビンアテンダントの雰囲気がずいぶん違うことが分かる。
第一平均的な体格が違う。
そして、サービスの細やかさが違う。

もっとも一方は国内航路で短時間でしたし、こちらは国際航路ですから長時間です。サービスの必要性や機会が違いますので、本当は比較できないのでしょうが。
成田まで、あと2時間半。
機内食のサービスが始まります。慌ただしいキャビンで、動きを妨げないように身をかわしながらの撮影で、こんな写真になってしまいました。申し訳ないことです。

行きもかえりも写真を撮ることができて幸運です。

最近、格安航空運賃の飛行機会社が登場して話題になっていますが、キャビンアテンダントがずいぶんたくさんの仕事を抱え込むようになっているようです。着陸から離陸までの時間を短縮し、人件費を抑制する為です。「無駄を省いて効率的に」のレベルを越えてどこまでも現場の働くものに負担を課していく。
安い方がいい。確かにそう言える面はある。だが、安く運んでもらえればそれでいいのだろうか。
成田から伊丹に行くときに、直前のキャンセルが出てその人の荷物を降ろすことになり、また、飛行機の荷物収納の扉に不具合が見つかった。そこで、しばらく待たされることになった。こうした時にスタッフが、腕時計を見つめてなにを意識するか、それは乗客にとって大きなことだと思う。
(⇔)

彼女たちが、思わずこちらも笑みがこぼれるような笑顔で仕事ができるのかどうか、そこにカギがある様に思う。
報道によれば全日空(ANA)は、客室乗務員の雇用形態を改めることにしたそうだ。これまでは1年契約の契約社員として毎年契約更改をして、3年間「健康状態などに問題がなければ」正規社員として雇用するというやり方だそうだ。・・・こういう会社にだけ有利な雇用のやり方をこれから一層拡大しようというのがアベノミックスでもあるが。・・・・それを14年度から全員を正社員採用とすることとしたといいます。企業が利益をあげるために働くものにしわ寄せをする今の風潮のなかでこれまでの客室乗務員たちの粘り強い要求が実現したことは喜ばしいことだと思う。「格安」競争が招いている働くものの酷使と使い捨て。それを同じ働く者が消費者として「安けりゃいいじゃん。」と働く者の足を引っ張る傾向。自分の身に降りかかればどうなるかを想像しない人々が増えているように思う。自分自身だって、今、同じ論理で苦しめられているのに。
そして自分の身だけを守ろうとして、結局、働く者全体が負のスパイラルにとりこまれていく。
笑っている者は誰か。
ANAの働く人たちが、自分自身と日本の働く人々に大きなプレゼントを勝ち取った。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/08/21(水) 00:03:17|
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