長いフライトもあと3時間ほど。フランクフルトももう近い。
乗客もようやく目を覚まし始めて、彼女たちは機内食の準備にかからねばならない。それまでのわずかな一時、キャビン・アテンダントの仕事について話を聞いた。

乗客のために窓のシェードが下ろされ、機内照明も最低限になっている条件では撮影は困難だ。
そんなとき最後席の、さらに後ろにある「バックヤード(?)」近くの小さな窓のシェードが開けられた。
そこで得られたチャンス。

長時間の立ち仕事。2時間ずつの交代の仮眠。狭い通路を繰り返し、サービスのために行き来しながら乗客の様子も観察する。気分を悪くしている人はいないか、むずがる幼児のためにしてあげられることはないか。

長時間狭い機内に押し込められた乗客を和ませ、快適な時間となるように、そして会社の経営を担う意味も持って物品販売もしなければならない。

機内の意思疎通も欠かせない。
私の「撮影」のお願いも、瞬時に他のクルーに伝えられた。

狭い空間に効率よく収納された機内食や飲みものなどなど。

優しく美しいだけでなく安全のためにはきっぱりと断固として乗客を制御しなければならない責任感。
「シートベルトをおしめください!」

座席上にある手荷物収納場所に乗客の重い荷物を押し上げ、その落下防止を確認する作業を「彼女たちの細い腕」が優美にこなしていく姿にも目を奪われることがしばしばだ。
決して、楽な仕事ではない。

「憧れで跳び込んだ仕事ですが、大変なことはたくさんあります。 でも、・・・。」
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2013/08/03(土) 00:04:02|
- 人物
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0