ずっと以前にもこのブログに登場していただきました。
銅線を編んで小さなかごや飾りを作っておられる「路上の『工芸師』」です。
私が最初にお会いしたのは、本当はいつのことなのか忘れてしまいましたが、少し長くお話して、作品を買い求めたのは、この方が堀川中立売りの辺りで、こうして地べたに座って銅線を編んでおられた時でした。
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今年の春は一時期ずいぶん暖かくなったと思ったら、急にまた寒さが戻った時がありました。
暖かくなってきた時には、自転車でこの方の脇を通り過ぎる時に「おはようございます」「こんにちは」と声をかけていたものですが、急に強く寒さが戻った時に姿を見なくなりました。
それで少し心配していたのです。 何しろ「路上」でこうして作られている方ですから。
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あまりお若くもないし。
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それで少し暖かくなった日に急に姿を確認したくなって、自転車のハンドルを岡崎方面にむけました。
いましたいました。良かった!!
今日は五月の晴れ晴れとした日です。疏水を流れる水の音もすがすがしくてとても気持ちのよい日です。

「また写真を撮を撮りたくなってやってきました。いいですか?」
「ああ、お父さんのことはよく覚えているよ。いいよ、好きなようにしたら。
この前も写真を撮って行った人がいて、何かの『新人賞をとった。』と言って写真を持ってきたよ。」

心持ちほほの辺りが痩せたように見えましたが、お元気そうでした。
「ワシは、これはいいものだから買えとか、他より安いから買えなどということは言わんのよ。おじさんこれいいねえ。これをぜひ欲しいなあという人がいたら、いいよ、じゃあいくらにするから持っていきな、といってあげるのさ。いいなあと思ってくれて、ほしいなあと思ってくれる人がいて、じゃあと言って分けてあげるのさ。だから、これを売りたいからどこそこに出してくれといわれてもなかなかその気になれんのさ。」

そう言って長年作り続けてきて、すっかり形が変わってしまった指に力を込めます。
「今日は、おじさんの指に注目しようと思ってきたけど、もうそういう写真を撮った人がいるんだねぇ。」
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テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/05/22(水) 00:01:16|
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