2年前でしたか、この方の絵画展を見せていただいたのは。
今回、個展の案内のはがきをいただいて、楽しみにしていました。
今年は院の終了の年です。

個展の初日に伺ったのですが、その時にはその方が子供のころに通った画塾の先生を初め、たくさんの方々が見に来られていて盛況で、写真を撮ることはおろか、ゆっくりとお話をうかがうことができませんでした。

それで、翌週にもう一度伺い、今度は・・・その間にもお客さんは幾人もあったのですが・・・ゆっくりと絵の話などを聞かせていただくことができました。

前回の時の絵は、森や人物が幾分観念的で、良くいえば物語を多く含んでいました。
しかし、今回は、素っ気ないと感じるほど、「日常性」と「平凡性」を追求していました。

なぜわざわざこれほどまでに素っ気ない、非ドラマチックな情景を選ぶのか、そこに今日の彼女の明確な意識があるようでした。
しかし、この平凡で日常的な景色は、木として土として舗装道路として作者の思いのままに書かれていると私には見えました。それは『イメージ』の名で勝手に実在を遊離していく「思い」とは違う種類のものです。
私たちがそこにおいて生活している、そこを歩き、そこで呼吸している実在に即した「思い」とでもいうような表現でした。

以前の絵より空間が広がり色が明るくなりました。画角は変わらないとしても、心理的な広がりが拡張しているように感じました。タッチも軽快になったように感じました。きっと何か心境の変化があったんだろうと思います。

私は絵についても門外漢ですから、ただの印象にすぎませんが、ここから始まる何かにとても期待ができそうだと感じました。

こうして以前見せていただいた若い作家さんの絵を再び見せていただくと、こちらもいろいろ励まされます。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2013/04/18(木) 00:09:34|
- 絵画
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