裸婦の絵を見ていて、何か少しづつ感覚が裏切られるので、気になった。
日本の実に平凡な庶民の住宅が線を主体に描かれている。黄土色に黒の線。 その建物の構造も、いわゆる透視法に沿わないばかりか、柱や屋根の構造がゆがんで、感覚を裏切る。
そうした「ずれ」に、激しい告発とかとげとげしさはなく、眼差しの優しさを感じる。

この方の経歴に中国の大学で学ばれたという記事があったことも、私の興味を引く原因だった。

最初ギャラリーに会いを踏み入れた時には、自らも絵をお描きになっている様子の年配男性と熱心に話されていた。
その方の陰になっていたこともあって、もう少し年かさの方かなと思っていたのですが、存外お若い方でした。

中国では水墨を学んだということです。
中国では、日本の子供が3,4歳からピアノを学ぶことがあるように、その頃から筆を持って水墨画や字を描くのです。ですから筆の扱いは極めて高いレベルの学生がきら星のごとくいるといいます。

この大学に学ぶ縁を得たということは、どなたか強く推薦される実力のある先生がおられたということでしょうし、若いころから期待もされた方だと思います。

中国の学生の意識のあり方や、社会の中での才能の活かされ方などの付いて、色々お話を伺い、また日本と中国との交流のあり方など貴重なお話を楽しくうかがうことができました。
たまたまお客さんの足が途絶えた時に、「写真を・・・」とお願いすると、大変気さくにお付き合いくださいました。
ご自身もモデルを相手に描くことが少なくありませんから、「どうしましょう。」と、なんでもしますよという感じでした。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2013/03/09(土) 00:02:13|
- 絵画
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