この方はちょうど受付当番の交代時期だったようで、あわただしく撮らせていただきましたが、私自身も、ちょっと長居をし過ぎて、次の約束の時刻が迫っていました。

交代の人が来ました。
この人はタイの旅行で撮った写真を展示されていました。本当に数日前に帰ってきての展示だそうで、他の人のようにパネルにはできなかったのです。

僧侶や、路上に横たわっている人を撮っていましたので、どんなふうに話しかけて撮ったんだろうということが興味深くて、おおいそぎではなしをききました。残念ながら写す方に夢中になって肝心のことをちゃんと聞けませんでしたが。

先進国の人間が、途上国に行くと、実に粗略・横柄に「人」の写真を撮るのをよく見かけるからです。
自分の本国では、本人の許しなく、その人が特定されるような写真を撮って公表しないということを知っていても、外国に行くと、とたんに人を風景にしてしまうのです。
もっとも国内でも、色々なブログを見ていると、無造作に人を撮り、そのまま公開してしまっているのをたまに見かけます。・・・最近のあまりに神経質な傾向については、私は別に考えもありますが、社会一般に人のプライバシーが危うい傾向にあることもまた事実で、そういう流れの中で、人が警戒心を持って自分を守ろうということにも共感する点があります。

人が人に興味関心を持つことは当然のことです。人のあり方に共感をもって、何らかの関係・交流をしたいと思うのも自然だと思います。
ですから、人に敬意や好意をもって、近づくのも当然だと思います。
私は写真に撮りたいと思うのもその一つだと思っています。
しかし、そこにはお互いが心地よくその関係を受け入れることができる環境が必要です。
写真愛好家自身がその環境を壊してはいないだろうかと、心配する昨今です。
大切な文化です。お互いが自覚的になりたいものだと思います。自戒を込めて。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2013/02/18(月) 00:09:09|
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この方の話が載ってませんが?
私もタイで写真(人物も含め)を撮ってます
>途上国に行くと、実に粗略・横柄に
そんなつもりで撮ってないですが 人によってはその様に思いかもですね
プライバシーについて
テレビ(放映用撮影)や写真家(プロ)が街中で撮った人物(一般人&通行人)は許されますか?
何故個人の撮影は駄目なのでしょう?
報道の自由? 金儲けに使ってるだけのような気がしますが
- 2013/02/18(月) 12:11:50 |
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- 元気 #2gpEF48k
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私は、テレビや新聞、雑誌だからといって、無造作に人を撮っていいということにはならないと思っています。ただ、マスコミにはマスコミの役割がありますから、一面的に人を写し込むなということはできないとも考えています。ただそれを公表する場合には十分な配慮と、適切な方法が選択されるべきだと思います。私は「個人だから」いけないとは言ってもいませんし、また考えてもいません。
無論、写真を撮る方が「プロ」だから許されるとも思いません。むしろプロであればなおさらこうしたことに厳しくあってほしいと願います。おそらく多くのプロの方はアマチュアには想像もできない手配や心配りをされているのではないかと想像します。
私自身、自分の「つもり」が善意ならば少々のことは許されるのではないかという気持ちになってしまうことがあります。写真の「絵」としての効果からいえば、周囲にいる人々の目に網を掛けるのは、興ざめです。もっと自由に撮らせてくれという気持ちがないわけではありません。しかし、やはりそれは撮る側の論理だということを考えなければならないと思います。
こういうことを突き詰めると本当に写真を撮りにくくなります。景色や花を撮っていれば安全だということにもなりましょう。社会や人を写せなければ、文化のあり方として良くないと思います。言っていることと実際を一致させることもとても難しい場面があります。
でもやはり、気がつかないことがまだまだいっぱいあるとしても、写される側のことを想像して、自重するように努力しています。
もう一つ。私が気になるのは先進国の人間に、途上国の人間に対する無自覚な差別意識がどこかにないかということです。「この国の人権意識は(どうせ)この程度なんだから、いいだろう。」というような。
元気さんが、ご覧になって、これはいいのかなと思われるような写真を他で見ることはありませんか?
私は、個展やグループ展などを見せていただいた時に、これは丁寧に関係を作って撮られているなあという写真もあれば、そうでないと感じる写真もありました。ブログでも同じです。
若い方が積極的に外国に行くのは素敵なことだと思います。そして他国に生活する人々と様々な交流を経験されることは素晴らしいことですね。この方の場合もそうです。でも無邪気なだけではいけないなあと、この方のこととは別に感じたので書きました。
- 2013/02/18(月) 13:25:05 |
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- soujyu2 #-
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日本で人物の写真は殆ど撮りませんでした
どうしても入れたい時は撮る前に承諾 承諾後では自然さが無くなる場合は事後承諾
どちらにしても 撮った写真を見せて確認してもらいます
タイでは 撮る前に承諾です
殆どが 撮って良いですか?聞くと快く笑顔でOK
撮って欲しいと言われる場合も多い(私のカメラ)
撮られる事が好き? カメラを向けるとポーズを撮る人も多いです
日本に居る時から 風景 花 動物 人物 全てに撮らせて頂く気持ちで
被写体が有るから写真が撮れる そう思っています
マスコミは自分たちに都合の良い配慮 写ってる人物がどうであろうと関係ないと思います
視聴率(お金)が稼げる方法だけを追い続けてるんじゃないでしょうか
顔が映っても(遠景は別)承諾は取らないでしょう
例として
海水浴場での撮影でマスコミは放送しますが(写ってる人物に承諾は?)
個人で撮影してると写真の削除を求められると聞きます
その場面がどうしても必要かわからない場合が多いと思います
全ての被写体に迷惑を掛けることが無いように 注意をしながら撮影したいと思います
- 2013/02/19(火) 12:20:03 |
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- 元気 #2gpEF48k
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元気さんが国外でも人を撮るときに細やかに配慮されていることに感服しました。
国によって地域によって人々の意識は違うものですね。「撮らせてもらっていいですか?」と尋ねた時の反応もずいぶん違うと思います。私の中国での体験でも、とても開放的で気さくにカメラに向かってくれる方が多かったと思います。
私は今こうして人を撮らせていただいているわけですが・・様々な限定要素・条件がありますが・・・初対面の方が95%以上です。だから「人を撮るのは難しいでしょ?!」という考えや実情に対して「そうではない」ということをいいたい面があります。
しかし、・・・現象としては簡単に撮らせてもらっているのですが、・・・そこにはやはりとても大切なことがあるので、「無造作に人を撮っている」傾向に対して、どうしても苦言を呈したくなるのです。
そういうことを私自身が外に向かっていうことは自戒にもなりますしね。
マスコミなども含めて、多くの方が元気さんのように意識されるとよいなあと思います。
丁寧なコメントありがとうございました。
- 2013/02/20(水) 10:17:27 |
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- soujyu2 #-
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