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こうした方がこの場所で実演をされている、そのことが友禅や西陣織の職人さんたちが現在のおかれた状況を物語っているようで何となく心が痛んだ。
ここは西陣織会館。私が中国に幾以前には多数の職人さんが場所を占めて実演をされていた。その数は・・・記憶が曖昧だけれど30を数えたろうと思う。
だが今年度に入ってからだろうか、府の補助費が打ち切られたのか大幅に削られたのか、その数は1/3ほどになっている。
販売用の商品が中央部を占めて、職人さんたちは階段を上がった場所や、ファッションショーの舞台の裏手の暗い、陰の場所に・・・ここも以前は実演者が多くて手狭だったために使われていたが、実演の数がずっと減ったのに・・・配置されている。

既にたえそうになっている技術をお持ちの、40余年のベテランの職人が階段をあがった(この階段は通行止め)場所で実演をされている。

お話を伺うと、実に深い見識をお持ちの方で、機会があればぜひ別の場面でも色々話を聞かせていただきたいような方です。

通常はお名前を記載したパネルが実演の場所のどこかに掲示されているのですが「そういうものはイヤなんで」とおっしゃる。
何やら薄いみどりの糸を巻いた小さな「杼」を手にして逡巡されている。そしてやおら今織ったばかりの糸を抜き初めて「この色はどうも具合が悪い。合わないね。」とほどいていくのです。

通常であれば別の下絵職人が描いたものを織っていくのですが、この帯は「自分で考え考え織っているのだけれど・・・。どうも納得できなくて・・・。」
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2012/12/21(金) 00:05:08|
- 伝統工芸
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