60歳代だと中堅どころだという西陣織や友禅染めの世界。
80代でも弦ね気バリバリの方がいるからこそそういうことになるのだけれど、一方で若者がいない。せいぜい40代半ばまでだという。それも数少ない。

この方は友禅の下絵を描かれている。昔は紫ツユクサのしぼり汁を濃縮して使っていたそうだが、今は代用品を使うのだそうだ。ツユクサから採るためには相当大量のツユクサを集めなければならない。それから液を濃縮して染料とする手間暇もまた相当なものだそうで、こうした仕事をする方が全国さえもう2,3人だという。
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私はここでいつも「描かれているあなたを撮らせていただきたいのです。」とお願いする。
観光の方も同じように制作の様子を撮っていかれる。
製品、デザインだけの撮影は禁止です。
撮影はついつい筆を走らせている瞬間を撮ってしまいます。これでは作者の集中している緊迫感は撮れない。そういう自覚はあるのですが、なかなかいい瞬間を切り取れません。
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キーワードは枝雀師匠の「緊張と緩和」にあると・・・。
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ちょっと違った方面の緩和ですが。
何も知らない私に実に懇切な説明をしてくれました。

絵画や工芸の若い作家さんたちもこういう場所に来ていろいろ話を聞くといいのになあと思います。ほとんどの方がキャリア40年のベテランですから、制作上の様々な話は貴重だと思います。
伝統的な図柄はたくさん蓄積されていますから、そうした過去のものから学ぶことはもちろんですが、「鴨を書こうと思ったら鴨川に写生に行くよ。そうしないと本当の線は描けないからね。」とこのベテランにして・・です。

この会館には「伝統工芸士」の称号をもっている方が幾人も実演のために来ておられます。
伝統工芸士は全国に約4000人。そのうち京都には約1000人がおられるのだそうです。そこに京都のすごさがありますね。
しかし、・・・。
ちなみに伝統的工芸品として指定されている工芸品の数は都道府県別に言うと京都が17品目、続いて新潟が16、沖縄・東京の13品目が続きます。愛知12、石川10と続きますが意外なことに奈良は2、滋賀は3なのですね。我が?静岡も3です。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2012/12/20(木) 00:03:07|
- 伝統工芸
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この方たちは「実演」をされている関係もあって「声をかけていいですか?」「写真を撮っていいですか」と話しかけてもうるさがらずに応対してくれます。
技術のこと西陣や友禅の業界のこと修行のこと・・いろいろお話してくれます。勉強になってとてもあたりがたいです。
トマトの夢3さんがおっしゃるように話しているときも、制作されているときもその表情がとても素敵です。こうした方たちにお会いしたくて私は時々ここに出かけます。
- 2012/12/21(金) 10:01:32 |
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- soujyu2 #-
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