京都にもたくさんのギャラリーがあります。著名な作家の高額な絵などを展示する、少し足を踏み入れがたいギャラリーもたくさんありますし、また貸しギャラリーもあります。
私が行くのはもっぱら貸しギャラリーです。
今日は河原町四条を少し上がったところにある「maronie」というギャラリーです。
ここの3,4,5階が貸しギャラリーのようです。
ろうけつ染めの展示がありました。といっても和服などに描かれる絵柄ではありません。
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初め私は、水彩絵画かと思いました。
多くは向こうむきの人物が描かれています。その人物は皆学生くらいの若者です。
夜遅くに、一人旅行に出る風で歩く女性を見て、その過去、現在、未来を感じてスケッチしたのだそうです。
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作者です。
毎日必ず人物のスケッチをするそうです。実によく観察されています。
このフロアに来る前に「3・11」を主題とした3人展を見せていただいていたのですが、そこに陶板などを出展されていたT氏と「デッサンの重要性」を語り合っていたばかりでした。そのT氏が私に「この人はデッサンができてるよ。」 見てやってくれという感じで声をかけてくれました。
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T氏には「個展の時には写真を撮ってもらおう」といっていただいて「若者を撮ってあげてください。」とも言われて、・・・。
この絵は京大の交響楽団のメンバーの練習風景。
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話を聞いてみると私の徘徊エリアと重なる部分があって、「どこかできっとすれ違ってますよね。」
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ご自身はある学校で美術講師をされながらの作家活動だそうです。

とにかく写真でも絵画でも人物を対象としているものには一段と興味を惹かれるのです。
彼の絵にはしぐさの表情が豊かで、単に写生しているのでない情感があります。情感というとウエットな語感がありますが、湿った感じはありません。
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私よりずいぶん学生世代に近いわけですから当然と言えば当然ですが、学生世代への親近性がとても感じられます。
生活の一コマへの共感性というのでしょうか。

ご自身のファッションにも「色々意識してるねぇ」・・・すると「こんなポンチョを着てきているのですが。」と絵に前の立ってくれました。

色を多用しない、むしろモノクロの世界だということも今の私には興味深いところです。
ギャラリーのコンクリートの壁にもマッチしたよい作品群でした。
- 2012/12/17(月) 00:04:28|
- 染色
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