名刺をいただいた。
「珈琲焙煎屋 クアドリフォリオ」とあります。
「珈琲焙煎屋」という名称にこの方の覚悟や意気込みが感じられます。
試みに「〇〇ya」と入力してワープロソフトが「〇〇屋」と変換する言葉の仲間に入っているか調べてみましょう。 予想通り「ko-hi-baisenya」と入力したのでは「珈琲焙煎屋」とは変換しませんし「焙煎屋」もありませんでした。「コーヒー屋」はありましたが。

この仕事ならずっと続けられる、と意気込んでおられます。確かに定年はありませんし、自宅に焙煎機があれば、できますしね。

コーヒーをドリップするのに適当な湯温は87度だそうです。
キチンと温度計を使っておられました。
豆がよくて焙煎がよければ、淹れ方は多少ばらつきがあっても大丈夫ですよ、と私の淹れ方のいい加減さをカバーしてくれた。
試飲のコーヒーもこうして、まずは自分でテイストされる。
中南米のコーヒーもおいしいけれど、今はアフリカのものがよいといわれる。

どこの国でもコーヒー農園は大土地所有制が多くそこで働く農民は劣悪な条件で酷使され、自分たちが育て収穫しているコーヒーの味を知らない。
大半は欧米など先進国に輸出されてしまうからだ。しかもその大土地所有者とUSAなどのビッグビジネスが利益を独占し、消費者には高価で、農民には最低限の労働条件で・・。
こういう問題についてもこの方の視線は向けられている。

試飲をされる多くの方が購入されていくが、コーヒー豆の特質などを、どの方にも親切に応答される。
自分のしている仕事を全身で楽しんでおられる。

かつてしておられた仕事からは、得にくかった喜びを感じておられるようだ。
ある日電車の中で新規採用の若者教育係となってサポートする先輩との会話が耳に入った。
「正直、同じ職場で長く付き合うことはないから、上の人の持っている情報やノウハウをもらうために、適当に「はいはい」と付き合うが、この人から吸収すできることはこの程度だなってみ切ったら、悪いけど深い付き合いはしないで、サヨナラだね。」とアドバイスしていた。
こういう労働観、職場観を持つ青年が育つ日本社会。あれこれの国より発展していると胸を張れるのだろうか。
こんな青年たちは、この方のような笑顔で働けるのだろうか。
働くということは、一面で、人生そのものの本体を形作るということでもあると私は思っているのですが。
テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真
- 2012/10/23(火) 00:48:50|
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