一年ぶりの再会です。
昨年、絵を見せていただいてこのブログで「ヘタウマ」などと失礼なことを書いてしまいましたが、この写真アップを、自分も家族も知らない表情が出ていたと、喜んでいただきました。
そう言っていただいて私もとてもうれしく思いました。

学校での絵画教育を受けずに、独自に開いた画境です。
昨年の仏画的色彩(これは全く私の主観的な評価です)から少し変化してきています。
左斜め後方に高速道路を疾駆する大型バイクの姿が描かれています。
「気持ちよさそうでカッコいいなあと思ってとっさに写真に撮って描いたんです。」
そういう瞬時瞬間に心動いた情景の「印象」を独自の見事な色遣い、省略とデフォルメによって描き出しています。
ここに斎藤流印象主義があるように思いました。
ルノアールなどの印象主義のように実態を光に解消し解体し溶かしていってしまうのとは違って、実体から遊離することはありません。

私は、ここに本来の抽象がある、と思わずつぶやいてしまいました。
ずいぶん「論じている」ような写真ですが、決して理屈を並べているのではありません。
作者は、感じた印象、光の姿をなんとかして色にし形象してきたのかの模索と「もがき」を語られているのです。

クレヨンで描いたことで縛られずに表現できたのかなあ。油や水彩のように筆を使っていたら発想できなかったかもしれない。
刺すように暑かった夏の光を描いた時のことを語られます。その「刺すような陽の光」をどう書いたらいいのか苦しんだんだそうです。

この方の色遣いや形には非現実的なものがあります。しかし、それが妙にリアルに感じられるのです。

今後10年先までこのギャラリーの「9月の第4週」を予約して押さえてあるのだそうです。
10年先まで描くという決意と、重い病気を克服されて得た命で「絵」を描き続けられる喜びがあります。

歳を重ねたからこそ得られた「自由闊達さ」があふれています。
(⇔)

私も斯くありたいモノと、では10年先まで追いかけますよと再会を約して来ました。
- 2012/10/12(金) 01:04:51|
- 絵画
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0