京都伝統工芸館には京都伝統工芸大学校の学生、卒業生、講師などの作品が展示されている。学生の作品などといっても驚くほど高い水準なので、工芸作品の好きなものにとってはとても楽しめるところだ。
いや普段伝統工芸品に興味や関心のない人にもぜひ出かけてほしいところだと思う。日本てすごいなあととため息が出る。
人間の成長力にも驚かされる。
以前ここで七宝の若い作家・武内さんに出会った。昨年の私の「出会い史」の中でも特筆すべき人の一人だ。
今日は中国からの留学生に再会する機会があれば・・・と案内の下見も兼ねてここを訪ねた。
若い職人さんが実演をしている。といってもこの方は私がいつも出会う職人さんに比して若いということで、大学校卒業直後ということではなさそうです。

「仏師」です。
仏像彫刻は、独特の難しさがあるのではないかと思います。

この仏像の素材は桜だそうです。
固い木の方が切り出したエッジが欠けたり、削った表面が白くくすんだりしないので取り扱いやすいのだそうです。

ノミや小刀はよく研がれて、照明に光っています。
何度も研ぐから次第に短くなって・・・、と柄にはめ込んだ切り出しを抜いて見せてくれました。研いで短くなると柄も削っていって、それで対応できなくなると・・・柄があまり短くなったら握れません・・切り出しを組み入れる溝の中に詰め物をしてかさあげするのだそうです。
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仏像は白木のままで完成ということもありますが、漆を塗ったり金箔をはったり、様々な金具を施したりします。それらを一人ですべてする場合もありますが、多くは専門の職人さんに託されるわけです。ですからその人たちの仕事も想定して仕事をすることが大切だと言っていました。自分が自分がと誇りたがる人の仕事はダメだと。
- 2012/09/26(水) 01:01:56|
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