昨日の写真では、まあなんとかましなものをアップしたのですが、
実はこんなカットばかりが・・。これがうまくいかないものだから、ほかに意識が回らなくて足元も切れてしまって・・・。
と、中国で楽で単調な毎日を送ったために少々ボケてきているかもしれません、と自らを慰めて。

この着物も豪華なものですね。しかし色彩的にはきちんとコントロールされていますから、しっかりおさまって品があります。
銀の帯が映えていました。
それにしても、プロのカメラマンがこんな写真を撮ったら即刻仕事がなくなるでしょうね。

中国でも壺などのすぐれた工芸品を見ました。それを作った職人たちの仕事ぶりも見てみたかったのですが、そうした体験を通じて、ますます日本の職人の仕事を見たくなりました。いえ、上のモデルさんたちを含めて表現者の仕事もです。
今日見せていただいたのは京刺繍の仕事です。
ちょうど鶏を描き出すところでした。

刺繍に糸は絹の光沢を出すために撚りがかけてないのです。細やかな表現をするときには糸をさらに細く分けて使います。
逆に濃い深い色を出すためには、艶を消して影を利用するために糸に撚りを入れ二本三本をさらに撚ってきます。

繰り替絵して縫い込むと下地の布が傷まないかと以前から疑問だったのですが、針そのものが違うのだと教えていただきました。普通の木綿針やミシン針と違って糸を通す穴の部分が扁平になっていて、針全体も丸い断面ではないのです。少し扁平していることで布地に負担をかけないのです。

雀の図がありました。胸の羽根はまさに「羽毛」に表現されています。糸の流れが一方にだけで来ているのではなくて、逆に流すことで風に吹かれる軽い羽毛が描かれるのです。そうすることで雀の体のボリュ-ムと質感が見事にえがきだされます。
- 2012/09/03(月) 01:08:48|
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