私の職場には日本から来ている若い二人の女性がいます。いずれも20代半ばです。
私が若いころには外国に行って学ぶことも、大学卒業直後に外国で仕事をすることなども思いもよりませんでした。昨年、たくさんの「素敵な人たち」に出会う中で、若い世代に海外へのバリアー低くしてどんどん活躍する人を見ました。そうしてそうした人たちに励まされてきたわけですが、ここにもそういう日本の若者がいます。

彼女は日本語教師です。高校3年生はあとわずかでこの学校を修了します。この学校には一斉の卒業式というものがありません。彼女は日本の卒業式を紹介しながら授業の一環として学生の手で卒業式をさせようとしています。
「答辞」作成にあたって皆の思い出を発言させています。
学生に人気のある彼女ですが、こんな表情もするのですね。いえ、決して学生を叱っているのでも、私がこっそり写真を撮っているのを咎めているのでもありません。
この卒業式の時、在校生はいません。既に在校生は夏休みですから、今学校にいるのは日本語コースのこの3年生だけです。ですから(⑤在校生の送辞)なのです。

「物おじしない」彼女の言動は、私に心地よい世代ギャップを感じさせます。
黒板に「軍事訓練」とあります。中学生の最初のころに合宿で1週間行進や集団生活の訓練を受けるんですね。なかなか辛いようです。行進の際の、腕ふりの角度やこぶしの握り方、足の上げ方など高校卒業までついて回ります。こういう行進の学校対抗の大会もありますし。まあ日本でも新入生にカッター漕ぎの訓練をして「しごいている」学校もあるし、高校野球の選手権大会の入場校行進をヒトラーユーゲント張りにするのを、堂々の行進、すがすがしい高校生の姿というくらいですから、これまたたいした違いはないかもしれません。

寮の舎監とやりあったり、授業でも教師に口答えもしているようです。
歌合戦は例年日本語と英語の歌が歌われるのだそうです。日本の「嵐」などは女子学生に大人気です。もちろん「ニノ」といえばすぐに通じます。

ここに「来賓祝辞」とあることがやがてわが身に降りかかってくるなどということをつゆ思わない私でした。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/08/22(水) 01:33:46|
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