京都府立文化博物館の別館で「転生する超絶技巧 大塚オーミ陶業の芸術 ≪展覧会≫」が開かれている。
11月5日(日)までです。
鳴門市に大塚国際美術館という施設があります。 (もう少し世界各地に目を向けた展示であると、さらにうれしいのですが)、非常に充実した西洋美術の「陶板」による再現展示会場です。
下のモノは、京都文化博物館別館に展示されていたレオナルド・ダ・ビンチの「受胎告知」です。

私がこの絵の前で近づいたり下がったりして見ていると横から歩み寄る人がいました。
それがこの方。
大塚国際美術館のために、「美術的な陶板」作りから、美術館の建設までかかわったというMさんです。

初めは、単なる会場の責任者かななどと思っていたのですが、お話を聞くうちに、これは大変な方にお会いしているんだという感じになってきました。
先般、私は妻と共に鳴門市の大塚国際美術館に行きましたので、氏のお話を具体的なイメージと共に聞くことができました。
そして、あの時に抱いた幾つもの疑問を、直接にこの事業にかかわった当事者であるMさんにぶつけることができました。

お話の中身は、まるで宝の山を掘りあてて、ザックザックと宝が彫りだせれてくるような、興奮するような興味深いものでした。
元も単純な質問として「あのミケランジェロの壁画、天井画のあるシスティーナ礼拝堂の実際のモノより少し明るく撮色も白っぽく見えましたが、あれはどういうことでしょうか?」「確かにそうですね。あれは照明を実際よりいくらか明るくしているためです。」
こんなことでも当事者であるからこそ、簡単に疑問を解いてくれます。

陶板製造の技術的な事、絵の具の色や材質のこと核国、各美術館で異なる名画の著作権のことやら撮影の難しさのことなどなど・・・。ピカソの絵は撮影や複製が大変厳しく制限されているのだと言うことでした。
資本主義的な経営としては、こういう技術開発や美術館の建設、運営は必ずしも「割が合う」仕事とは言えないでしょう。
それでも実現した背景もお話しいただけました。

いろいろ興味深いお話を聞いていると、私の例の病気が発症してくるのは避けられないことで・・・・。
お願いしましたら快く受けてくれて、自然光の届く場所に移動してくれました。
大塚国際美術館は、まだ半分も見ることができていません。
ぜひ再訪してみたいと思ったことでした。
- 2023/10/28(土) 12:45:23|
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こんばんは、
大塚美術館に関わっておられた方にお目にかかられたのですか~
伺ったお話をもっとブログ内で聴かせてほしいですね。
『結局のところ本物じゃなくて偽物でしょ』という人も最初の頃いましたが…『見もしないで言ってほしくないわ』と私。
大塚美術館は半日では足りませんでした~
もう一度ゆっくりじっくり名画に囲まれた至福の時を過ごしたいです。
Mさんの穏やかな表情そして背筋を伸ばした凛とした佇まいとても魅力的ですね。
- 2023/10/28(土) 18:31:23 |
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- MINA #-
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コメントありがとうございます。
本物を見るべしという考えも、当然、理のある考えです。が、こうした技術が私たちに与えてくれるものもまた大きいと思います。画集とは違い実寸でなおかつ筆のタッチや額装さえ再現しているのですからね。多くの専門家や技術者がかかわってできた「複製」は、それなりに敬意を持って鑑賞させてもらうのもいいと思いますね。
- 2023/10/31(火) 11:17:11 |
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- soujyu2 #-
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