中国に生活し、瀋陽で買い物をしても中国社会のことはなかなかわかりません。
ことに私のようにものぐさな人間には。

彼女たちが発する鋭い問いに答えながら、自分や現代についてもう一度反省します。・・ここであえて誤解のないように補足しておきますが、彼女は例えば日中戦争の日本の戦争責任を問うているのではありません。魚釣島の帰属について論じているのではありません。・・彼女の目線は、もっと別の遠いところに向けられているのです。

彼女のような人たちが日本を選んで留学してくれようとしていることは、日本にとってもうれしいことだと思います。ことに中国では欧米への留学のほうが増加傾向にあるという現状の中です。
狭い、頑なな、イデオロギッシュな反日・抗日の感情などに微塵もとらわれてはいません。
日本で「日の丸」「君が代」教育をどれだけ強化しようとも、容易に「排他的愛国心」を育てられないのと同じです。

彼女から反体制的なものは、歯がゆいほど何も感じられません。ただ、しかし、真剣なヒューマニズムの希求を感じます。それがあるところで日本への強い尊敬とあこがれになり、同じそれが日本に対する失望と疑念になっています。その視線は中国社会へも注がれます。
大人から見れば未熟な言説に、新鮮な魅力を感じるのは、やはりそれが青年の真剣な知性の営為から発せられるからでしょう。

この素敵なまなざしにこたえることのできる日本青年がたくさんいてほしいと願います。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/08/15(水) 01:31:58|
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