芸術をする人はこの世界の違う見方を教えてくれます。
モノを作り出して、そこに世界の新たな面を発見してくれるのですね。
・・・写真では、多くの場合作り出しはしません。在るものを見てそこに何かを発見して、ほら!と示すのが写真かな。・・・

場所は白河のほとり、古川商店街はすぐそこ。

細い針金を、まるで編んでいくといったような、造形です。
ヨーロッパの街並みを思わせるような建物群が描かれます。そしてやがて・・・・向かって左の方に行くと・・・林の中に溶け込む街。
A4程の中に納まるのが一つの作品で、それを合わせてさらに大きな空間を描いています。空には気球も飛んでいますしね。
(戦争好きな連中に撃ち落とされなければいいですが。)

少し前に制作されたものはクロームメッキをしたようにくすみ、新しいものはまだ銀色に光っています。
制作していく過程で・・・意図してかしないでか・・・針金が微妙によじれたような小さな凹凸を作ります。それが照明に光る様は、ちょうど安野光雅のかすれた鉛筆の線のようです。
作品の中に人の姿も犬や鳥の姿も見えません。 それを入れると、例えばその人物の視点に制約されるような気がして入れていないのだそうです。
それだけに風景を、作品を見る人自身のイメージで膨らめることができるという趣旨です。
この抽象度がちょうどいのかもしれません。

私はこういう可能性のある、よくできた作品を見るとあれやこれや発想を飛ばしてごちゃごちゃやりたくなります。
そのアイディアを話して一緒に楽しみました。楽しんだのは私だけで彼女にとっては迷惑だったかもしれません。
それにしても、ずいぶんいろいろなことができそうです。ポテンシャルの高い作品だと思いました。

そして一通りいろいろな可能性を考えてみたうえで、元に戻って、この自制した単純さがベストなのかなあとも思いました。

若いカップルのお客さんが本当に楽しそうに作品を見て回っていました。
私は絵本作家とコラボして絵本を作ってみたらと提案してみましたが、そういうものも作ってみたいですと言っていました。
- 2023/02/25(土) 00:00:09|
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