この写真ギャラリーは、私にとって案外大事なギャラリーです。
というのはここでは写真に何ができるのか、写真は何を写すべきなのか、どう見せたらいいのかということを相当真面目に突っ込んでいる人が写真展をするからです。
今日の人はそのギャラリーで、自分として現に模索していることを自身で明確に突き止めようとする「過程」を外化しようという作業を見せている写真家です。
先ほどまでいろいろと対話してお互いの考えを交換していたのですが、「撮らせて。」という私の求めに、じゃああそこで・・とずいぶん難しい課題を投げてきました。

明り取りの屋根の窓から強い光がここにだけ差し込んでいます。 会場全体はかなり光を抑えていますから、差し込んだ光は相対的にかなり強いです。
つまり明暗差がとても大きい。

その効果と難しさを知っていながら、ごく普通のスキルと知識しかない私に撮れというのです。
「売られた喧嘩は買わざるを得ない。」なんて上等なことではなくて、とにかく普通に写ってねとカメラ頼みです。

「これじゃあ顔が黒つぶれになっちゃう。」といえば
「そのほうがいいんです。僕は。」
かれこれ20年も写真に取り組んできたといいます。
以前にもここでお会いして、いくらか言葉を交わしていますが、私の名前と共にそれを覚えてくれていました。

写真を撮っているということでいくらかでもお付き合いのある人はごくごく少ない私です。
1,2,3,4…片手の指で余ります。 これでも満12年撮っているのに、です。 よほど人徳がないのですね。
この人のように写真を誠実に探究している人に会うといろいろ気づかされます。
私の写真がそういう問題意識にかなうようなものでないとしても、それはそれです。

このイベントの中心人物です。
- 2023/02/09(木) 00:00:02|
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