この四月には統一地方選挙があります。
私たちの京都府や京都市には問題が山積みです。今や全国を見ても東京の一人勝ちで、他の自治体はことごとく沈んできているといってもいいかもしれません。そういう全般的な地方の沈下に加えて、ここ京都では行政自体が京都を破壊する挙に出ているといってもいい状況です。
というのも例えばリニア新幹線。たとえば北陸新幹線伸延、例えば府立植物園の「開発」・・・・。
◆リニア新幹線も北陸新幹線も京都を通してはいけない。
≪水が危ない≫
リニアにしろ、北陸新幹線にしろ、京都駅と結ぶつもりだということはこの京都盆地の下にトンネルを掘らねばなりません。
京都市地下鉄の建設で痛い目を見たはずの京都です。地下水が枯れたり水路が変わって従来の生業ができなくなった豆腐屋や料理屋があったりしたはずです。そのうえ地下鉄は京都市財政の膨らむ赤字の一大元凶です。今日の財政ピンチは自然現象として生まれたのではなくて保守市政の政策の失敗によるものだということを見逃してはなりません。

京都盆地には琵琶湖の水量に匹敵する地下水がたまっているといわれています。それで地名にも出水だとか壬生だとか伏見だとかがあって多くの伏流水が京都の人々の暮らしを支えてきました。が今では、おいしい井戸水を失っています。
京野菜などと盛んに宣伝していますが、その京野菜を育ててきた水も保証の限りではありません。
トンネルにより濾水はくみ上げて川の上流に戻すなどと言いますが、濾水した同じ地域に水が戻るわけではなく、水質も同じではありません。
北山に行くと今でも台風の被害が放置されている痛々しい姿を見ることがありますが、この地下水脈が変われば当然にも樹木などの植生に影響が出て、それに従って獣や昆虫などのいいものの生態にも大きな影響が出ます。
京都の景観は周囲を囲む山々が大きな要素です。その山の緑がどうなるか正確なアセスメントができているでしょうか。
≪土が危ない≫
トンネルを掘れば「残土」が出ます。その残土は、当該自治体の区域内で処分することが義務づけられていますから新幹線やリニアの利用者の多い東京に持って行って東京湾を埋め立てることはできません。先年静岡県で盛り土が大雨で流出して大きな被害がありました。トンネル掘削の残土は谷を埋めて処分されるでしょうが、その盛り土が治山治水条件を大きく損ないます。谷川が盛り土の流出で埋められて、さらに大量の雨水が集まってその盛り土のダムが決壊すれば下流は洪水となります。由良川水系でそう言うことが起これば、ただでさえ洪水になりやすい嵐山付近はより一層心配になります。
しかも、掘り出した土にはさまざまな金属が含まれていますが美山や北山周辺には『ヒ素』を含む地層が確認されています。むろんそれは「処理」して「処分」するとJRや当局は説明します。しかし原発事故のあとの放射能汚染土の処理がどうなっているか私たちは知っていますし、すでに各地で建設されている「新幹線」の工事がどのように行われているかを知っています。それに対して納得のいく処理法を説明されていません。

≪科学もなければ説明もない≫
私たちは経済生活を進めていくうえで自然の変革を余儀なくされます。
一人一人が小さな畑を耕し田んぼを広げることでさえ、それが集積すれば地球環境を変えるということが分かってきています。焼畑農耕が熱帯雨林に致命的な打撃を与える要因の一つになっていますし、放牧の牛のげっぷが地球温暖化にとって見過ごすことのできない原因の一つになっているとも報告されています。
今や人間の生産や暮らしの行為がその地域はもちろん地球全の命運にかかわっているという自覚が必要となっている、そういう人類史的な段階だということを知る必要があります。
そこには地球科学や地域の科学的真摯なアセスメントが必要ですが、政府や財界はそういうことを端折り、住民に懇切な説明もなく、ましてや批判や疑問に答えようとしていないのが現実です。
リニア新幹線工事が静岡県で行き詰まっていますが、行き詰まらないほうがおかしいのです。北陸新幹線を京都駅につなげる必要がありますか? (被害をよそに押し付けるという意味ではなしに)米原接続ではいけませんか?
・・・JR東日本の北陸新幹線とJR東海の新幹線とでは、信号システムの互換性がないので、車体の相互乗り入れは出来ません。ですから、京都終点(始発)で乗り換えなくてはなりません。そんなことをあの京都駅でしますか?駅の拡張の費用も膨らみ、どれだけの費用負担が京都府市(民)にかかってくるでしょう。そうまでして京都財界の言いなりになりたいですか。・・・

コロナ以前から京都は「オーバーツーリング」状態でした。この上さらにその需要をほかに分けることなく京都が独占したいですか。強欲な亡者に映りませんか?
近視眼的な利益追求が「後は野となれ山となれ」になっている姿は、到底人類史や日本史に責任を持つ態度とは言えません。
≪行政の態度がおかしい≫
話が大きくなりすぎましたが、身近な問題でも困ったことがあります。
京都市ではせっかく国から保育園に補助金が出ても、「それだけ増えたのだから京都市からの支出は減らしていいよね。」と取り上げてしまう悪政です。それで少しも保育条件が良くならずに子育て世代は京都市を忌避して他の県や市に出て行ってしまっています。人口減で税収減です。保育園などで保育士らの不適切保育が喧伝されていますが、そうした背景には保育や教育を株式会社の儲けの種にして保育の考え方をゆがめ保育水準を抑えに抑えてきた行政があることを見逃してはなりません。
何しろかつての革新府市政時代に積み重ねてきた「全国水準を上回る」施政をことごとく憎々しげに・・・「市庁舎に赤旗を立てるな」などという品のない掛け声で・・・・はぎ取ることに執心するような行政です。他より良くしようというのではなくて他より良いことすべて削って全国並みに悪くしようというのでは行政としての資質さえ疑われます。

「貧すれば鈍する」の図なのか「鈍しているから貧する」のか。
・・・・
写真は嵐電白梅町駅前で、北陸新幹線延伸についての問題点を紹介して、なんとして食い止めなくてはいけないと訴えている方たちです。
- 2023/01/27(金) 00:00:02|
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