
神宮道(平安神宮に通じる道です)に接して建つ京都写真美術館です。
きつの(橘野)さんは日本写真家協会の会員です。
つまり職業写真家ですね。

日本各地の自然、ことに渓流や森林を撮った写真です。
背後に写真作品がボケた状態で見えますが、フレームの中はほとんどが緑と青の塊の様でしょう?! そこにこの方の写真の特徴があります。
「東山魁夷」の色を意識しているそうです。

多くは明け方近くに撮っているし、雨やもやのかかる、「蒼っぽくなる」環境で撮っているそうです。そしてそれをなおかつ青に振っているようです。そしてそういう明るさ〔暗さ〕の下では緑の葉が行きませんから、それはそれで持ち上げ黄味も加えているようです。
職業写真家の創り出す写真らしい、スキルとテクノロジーに支えられた写真です。
デジタルカメラが出現して、この業界は劇的に変貌を遂げてきたわけですが、この人の世代はまさにその大波を経験してきたわけです。
今やデジタル技術を理解し、駆使できないものは業界で生き残ることは難しいようですね。

紙にも随分こだわったようで、自身で和紙を漉いていろいろと試したようです。
その拘りと通じるのでしょうか、写真には鮮やかな赤に近い朱の「落款」が捺されています。
時々、サインでなく、こうして落款を押される方がいますね。
そうした作品を見た時に、「日本画、水墨画、書、篆刻などをされる方たちから、落款を捺す位置についてもっと学ばれる方がいいなあ。」と思うことは少なくありません。

写真を撮った場所は文字通り日本の北から南まで・・・。屋久島などもあります。
点景の人物が入ることもなく社なども見えません。 全く自然だけです。
すべての写真の明るさや彩度感が統一されているところもいかにもプロらしい見せ方でしょうか。
私のような行き当たりばったりとは大いに違います。

どうもピントが来ません。
- 2022/09/10(土) 00:00:05|
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