写真を撮るのに、本当は車道に回りたいのですが、そういう訳にはいきません。
安全管理のためにカラーコーンやスライドバーが施してあるんですし、安全のための要員がそこに立っているのですから。

ここは交差点の横断歩道のすぐわきです。
人や自転車がすぐそばを通ります。ですから私自身がそうした人の通行を邪魔するようなことになれば撮影を許してくれたこの人たちに迷惑をかけます。
ファインダーを覗き込む前後には背後や道路の横断者の有無や動きを何度も確認します。

私は元来〔仕事をする人々」を撮るつもりでこの活動を始めたのですが、なかなか実現しません。
憲法は工場(職場)の塀の前で立ち止まってしまうということがよく言われます。職場の中には憲法は届いていない、それが現実なんですが、私のカメラも入り込めません。
私の場合はそのために手を尽くしているというような「熱」の乏しさが原因ではあるのですが。

何か工芸の素材にしたいくらいのしっかりとした硬い木ですねぇ。
昔は道路工事などの時にその辺の瓦や割れた陶器や手当たり次第に石などを埋め込んでいるので、レスキュー隊が使うような堅い歯をもったチェーンソウでも難儀するんだそうです。

重機で一挙に引っこ抜きたいところですが、根は広く硬く張っているし、何しろ道路は壊せないし・・・・
「一本を抜くのに丸一日かかりますねぇ。と言いますと、「いやもう、こいつに4日かかってるよ。」とのこと。いやはや難工事です。
この木も懸命に生きたんでしょうからね。 人間の都合ばかり聞いてはくれないわけでしょう。

今働くことそのものより、それでいくらの金になったということが極端に重視されています。
金を手にしたら正義という考えがあまりに広がっていて、どんな世界にもその考えがはびこっています。
「汗水たらして働く」は尊いことでしたが、今や最も避けたいことの一つです。
そうした価値観では、この国はますます増長満した人間がはびこった空疎で騒がしいだけの国になると私は思っています。

労働こそが私たちの社会、生活を支えているということをもっと素直に認め合い尊敬しあえる世の中を取り戻したいものです。
汗が額から滴り落ちます。
- 2022/08/29(月) 00:00:01|
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