街の道路がアスファルトで覆われて雨水が地下に沁み込まなくなったことや、地下鉄ができて地下水脈がかく乱されたことで、多くの銭湯、料理店、そして豆腐屋の井戸が激変しました。
水位が下がって汲めなくなったり、枯れたり・・・それでかなり深くまで井戸を掘りなおすようなケースもあれば、諦めて水道水にする店もあって、水道代が大変だという店も。
味も変わってしまいますしね。

この入山とうふ店は、京都で一番古くから営業している豆腐店だとも言われているようです。暖簾に文政十二年とあります(1829年)。11代将軍家斉の頃かな。
創業の頃はこことは別の場所で営業していたようです。昭和33年ころまでは家の中の井戸で「つるべ」で組んでいたそうですが、今はさすがにポンプで。
豆を焚くにも薪や炭を使います。

この辺りは昔商店街だたっということで、この家のほかにも軒の深い家が少し残っています。
この深い軒が今言うところのアーケードとして利用されていたわけです。
町名の通り魚屋を中心にして関係商店や料理店などが軒を並べていたと言います。

手前の建物も軒が深いですね。
通りをずっと言って交差する大通りが堀川通。 この川の川底も岸もコンクリートで固められていますから、周囲に水がしみこまず、やはり地下水に影響を与えています。
井戸水の事だけでなく、町のヒートアイランド化にも影響していると思います。
この方が今のご主人。
さすがに蘊蓄が豊富なんですが「お一人様一回分はここまで」と説明を止めてしまいます。
あまりに有名で取材慣れ、観光慣れが進んでいるのかもしれません。
いや、そういうことではなくて、そうしないと仕事の手が度々止められてしまいますし、休息さえままならないことになってしまうのが悩みなんだと思います。そこが京都人の辛いところ? 私は京都人じゃないので、分かりませんが。

油揚げなどを揚げる場所ですから周囲は油色。
愛宕山の「火の用心」札がいい色に。

おからです。

https://youtu.be/AdbFZSmn0TQ?t=170
- 2022/08/07(日) 00:00:00|
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