山﨑書店では「美術書・木版画」が扱われています。無論それだけじゃありませんが。
山﨑書店さんは平安神宮に向かう神宮道と仁王門通りの交差点を、(南に)一筋下って東に入ったところにあります。

この道は、私は、めったに通らないのですが、どうしたわけかふとその角を曲がりたくなって東にハンドルを切りました。
すると趣のある暖簾が揺れて、なにやら面白そうな構えの書店を見つけました。
そもそも玄関を入ると靴を脱がねばなりません。 面倒です。その面倒を敢えてさせるについては主張があるでしょう。

町屋を改装した古書店でした。
木版画・・・ありました。浮世絵や錦絵があります。これは?!「枕絵」?
美術関係の分厚い書物が、ぎっしりと並び、重ねられ・・しています。

この方の、趣味?大好きなこと、生涯の仕事、それは本の収集と本作りだそうです。
実に手間暇のかかる、しかし、その分野の人にとってはこの上もなく貴重な本を作っておられました。
美術関係の本はアート紙を使ったりしますし、大概、版が大きいです。だからずっしりと重い。

奥に進むと、幅の広いぶ厚そうな板が、床に張られています。コンクリートをがっちりと敷いて、間隔狭く根太木が渡され、そしてぶ厚い板が二重に敷かれているのだそうです。さもありなん。
入り口付近に「地下もあります。ご希望の方は声をかけてください。」とありました。 地下?! 地下の秘密の部屋にはいろいろな稀覯本がどっさりとあるのでしょうか。

文章も書けば、校正もし、構成もする、表紙作りから製本も自分でするというこだわりの人です。
そう言えば、芥川も製本にはうるさかったようですが。
模造紙一枚を折りたたんでどの面にも独立した絵として見られるを絵が出て、しかも、開いたら全体で大きな世界を描く絵になっているという「本」を自作されています。
初期費用は55円だと繰り返し繰り返しおっしゃっていました。 模造紙全紙大が55円という事ですね。

多分気の合った人と本の話をし始めたら、必ず夜明けを迎えるに決まっているという人なんでしょう。

この日、ある買い物をするという気持ちがあったので、リュックにたっぷりスペースを残そうと思って、フジのX100Fで出かけたのが良かったのか悪かったのか。
この方もクーラーの冷たい風が苦手なんだそうです。 気が合いそうです。
昔の三菱電機はいいものを作っていましたね。
- 2022/07/30(土) 00:20:01|
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