
ギャラリーのHPにはこんな文章がありました。
「京都を軸として関西には美術・工芸を学ぶ大学が集まり、毎年優秀な卒業生が数多く巣立って行きます。しかしながら、卒業を(ママ)同時に作品制作の機会も、発表の場も、ともに切磋琢磨した仲間も、極端に減ってしまいます。せっかく育った優秀な才能を少しでも発揮できる場が提供できないものか、との想いを込めて企画しました。」
今回はこの企画の第一回と同じ「染織」です。

芸術系大学を卒業しても、画いたり作ったりを継続できにくい現状。
無論、定年後にもう一度学び直したりして大きな公募展に挑戦されている人もいます。
が、芸術を深めることは生涯の課題として取り組むに足ることでしょうから、有為の青年たちが筆や鑿を置いてしまうことは残念なことです。
日本の文化の脆弱さを示す景色ですね。
この人はとある大学でアシスタントをしながら作家活動を継続しているそうです。
一般によほど恵まれた人でないと、大学を出たとたんに制作の環境が失われてしまいます。工房が持てないのですね。
作陶家は窯を持たねばならないし、土を保存し、焼く前の作品を乾燥させる場所もなければなりませんが・・・。
染織の人も広いスペースやにおいの漏れを心配しなくてよい制作環境が必要です。

富裕層や企業は新自由主義に浸りきって文化的な支出をけちるし、大衆は貧困にあえいで芸術作品を購入できないし。

心豊かな人生の集合が日本国でありたいものだ。
そのためにはこうした若い作家の活躍を支える必要がある。
- 2022/05/22(日) 00:00:01|
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