「楽しいね」ではちょっと違うかも。
急に雨が降ってきたので地下道を使って道路の向こう側に出ようと、遠回りすることにしました。
すると「ああ、またやり過ぎの観光客の呼び込みか?!」と、少々うんざりするような気分で通り過ぎようとしたところ、どうも事情が違うらしいのです。
彼が手に持って掲げている大きな紙には「法律無料相談 実施しています」の文字。

弁護士会がやっているのだそうです。
弁護士は相談に乗っていくらの世界にいると言ってもいいわけですから、これは大きいです。
日本では法律にのっとって話を進める(問題を解決する)ということが文化として成熟しているとはいいがたいと思います。
それで長年の多くの人の頑張りでようやく成立した人権や生活を守る法律も・・・・政府が広く熟知できるように懇切に知らせないし、教育の場でも扱いが小さいので・・・人々に利用されることが少ない傾向にあります。
例えばそのよいというか悪い例が生活保護法だし、労働基本法です。
法律は努力目標ではなくて、守らなくては処罰があるものです。大づかみに言えば生活保護法は政府や自治体の義務が定められていて、労働基準法は人を雇用する経営側に守らなくてはいけない最低限の基準を示していて、労働者を保護しようとしています。
雇用者に義務を被雇用者に権利を定めています。それがまるで理解されていない場合をよく見ます。
法律が普通の人々から遠いところにあるというのが日本の状況です。
弁護士に相談するとか、法律を持ち出すと、地域や職場やなどなどの人間関係をぎすぎすさせる、大人の対応をしろ、弁えろとかなんとかいって結局は強い立場の者を利するということが実に多いのです。
「最近の人間は権利ばかり主張して義務を果たさない」とかいう人がいますが、日本で人々の権利が守られているなんてどこをさしていっているのかと思います。
試みに職場の真ん中で「私は日本共産党を支持しています。」といっても前の日と後の日で上司の接し方が違ってくることのない職場がどれほどありますか。 今日から組合を結成しますと言って、ちゃんと、職場で「出世」できる会社がどれだけありますか。同じ労働者からさえ、そんなことをすれば企業の利益を損ねるのだからそういう者が疎外さ荒れるのは当然だなどというのです。
憲法も労基法も企業の門からは入れないという現実をいくらでも見ることができます。
そういう意味で法律があなたを守りますよ。こういう時には法律はこういう基準で人との関係を規律しますよということを身近に聞けるということはとてもうれしく大事なことです。
法律の方から近付いてきてくれるんですから。

彼は修習生だそうです。
こういう役割を喜んでやれる弁護士の卵です。
私はとてもうれしく思いました。
サラ金大企業を弁護して庶民から暴利をむしりとるのに法律の知識を発揮したどこやらの知事や、その大先輩の「息をするように嘘を吐く」弁護士のような人もいますが、多くは地道にまじめに仕事をする弁護士たちです。
ましてこうして法律事務所の高い敷居を進んで低くしてくれる弁護士たちには大いに感謝したいと思います。
ご苦労様!

・・・・・・・
私がこのブログを初めてのは2011年4月。で、今日のこの記事のポストオンで満11年になります。
記事数は3951だそうです。 テーマが人を撮ることでした。この11年間に撮影に協力いただいた方の実数が1895人となります。
ブログ掲載ができた人という意味では年度内に1900人を達成できませんでした。
「10年一日の如し」という言葉がありますが、私の11年には、何か得るところがあったでしょうか。
リタイア後に私の人生の柱の一本がこの人物写真を撮ることであったことは間違いないですし、それは私の喜びの源泉でした。
これからもさらに続けると思います。
個展を10回、2000人の人を撮る。 一喜一憂の種です。
- 2022/03/31(木) 00:00:05|
- 楽しいね
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