よくカメラのレビューを書いたりしている方たちが「カメラが小さければその方が撮られる人の精神的な抵抗感を軽減し、緊張させないからいい。」といいます。
確かにそういうことはあると思います。 私の持っている小さいカメラと言えばフジのX100FとX20ですが、X20などは「おもちゃ?」に見えます。それで「あなたを撮ります。」といっても気持ちは楽でにこっとしてしまうかもしれませんね。

ほんの数枚撮るのならばそうかもしれませんが、私のように周囲を回ってしつこく撮れば、やはりある種の緊張を強いることになると思います。 その時に欠くことができないのがコミュニケーションですよね。
その時にもカメラが小さいほうがやりやすいかもしれません。

ただ、こうして演奏している方やモノの制作に打ち込んでいる人には声をかけられませんので、難しいところです。
で、私は逆に撮る側の「本気度」で伝えるということも意味があるんじゃじゃないかと思うのですね。
大きなレンズ、大きなボディーのカメラで、あまり見ないような角度から敢えてあんな姿勢で・・・・あざとい計算でそうするのではなくて、ちゃんと撮ろうと思うえばついそうなるということでないといけませんが。・・・・・ちなみに「あざとい」というのは決して肯定的な言葉ではないです。田中さんや弘中さんはこの言葉のニュアンスをゆがめてしまって困るなあ。と私は思っています。しかし、そうした中にも彼女たちの「あざとさ」があります。・・・・・・撮ることで何か伝わるものがあるんじゃないかと思っています。

さて、ここでは色々な人間「交差点」が生まれると幾度か書きました。
それぞれの方の個人事情を詳しくお聴きすることはないのですから、実のところどういう人生が「交差」しているのかよくは分かりません。
でもこうして外国の方が被写体だと外見的にも異なる人生の「交差」が見えますね。

実は撮影後に、私のカードをお渡ししようとしてリュックの中をもたもたと探しているうちにこの方はこの場を離れてしまいました。
カードを入れているがま口はすぐ見つかるのに、たまたま一枚、さっきこの辺りに一時的に入れたはずなんだが、というのを探してしまったのです。振り返ったらもうおられませんでした。 それで音楽とのお付き合いについてや出身国などについてもお訊きすることができませんでした。

旅行のいでたちではないようですし、このピアノの存在をご存知でスコアも持参されているので、駅からそう遠くないところにお住まいなのかもしれません。
ただ私みたいにはるばる来る者はいるにはいるのですから、分かりませんが。

もう少し明るめに撮らないといけませんね。
日本語のお上手な、素敵な方でした。
- 2022/03/04(金) 00:00:02|
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