大雪から二日。寒い日です。
上賀茂神社の手作り市。1月と2月は、やはり寒いです。
まだ建物の屋根の上や木々の下に雪が残っています。

この人は毎回この場所で消しゴムハンコを販売しています。
そしていつもここでハンコを彫っています。
今日は雪が残っていますがその雪の上にシートを敷いて、半ば腹ばいのような姿勢で彫っています。 冷たいでしょうに。

ヘッドランプを付けているのは曇って暗い日などに、ご自身が覆いかぶさってなお暗くなるので照らしているのです。
それにしても額を擦り付けんばかりにして目を凝らして彫るのです。

こうして彫っていてもお客さんの動きは耳で、体感でしっかりキャッチしています。
顔も上げないで、「他のお客さんが(ハンコを)押していった紙で気に入ったものがあったら持って行っていいよ。」と小学生たちに声をかけています。

顔を伏せたまま、私に向かって「お兄さんはいつもどんな写真を撮ってるの?」と訊いてくれました。
「人物ばかりを撮ってるんだけどね。」
「へ~。どれくらいのキャリア?」
「10年ほどかなあ。 そちらのハンコ作りはどれくらい?」
「十三、四年かなあ。もうちょっとかな。」


石原慎太郎氏が亡くなった。
このタイミングで石原氏が話題になることを「まずい」と直感して慌てている人がいるだろう。「僕を巻き込まんでくれ。」と自分が焚きつけた火で慌てていたあの人だ。
「『彼は天才』とホメちぎったのは、維新で共同代表だった橋下徹氏。『彼は総理になる器』とした上で、こう答えた。
『僕(石原慎太郎氏)はあると思う。あんなに演説のうまい人を見たことがない。言葉の調子は違うが田中角栄だね、若い時の。それから、例えはよくないが、演説のうまさ、迫力は若い時のヒトラー。ヒトラーってのは後にバカなことをしたけども』」( 東スポWeb 2022/02/01 )と言ったことは一部ではよく記憶されていることだ。
石原氏がこう橋下氏を褒めた時に橋下氏が「なんてことを言うんだ!それは僕に対する誹謗中傷で、国際的にも許されない。」などといったことはない。まして一緒に「日本維新の会」など作れるものか!と怒ったこともない。ニコニコしてお互いにエールを送っていたわけだ。
しかし、相手が菅直人氏だったら話は違う。
人をヒトラーになぞらえることが問題ではない、相手が立憲民主党の菅氏だからこそ問題になるのだ。
ついでに言うのなら麻生氏や高市氏がヒトラー流を持ち上げても橋下氏も維新もピクリとも動かないではないか。
橋本氏は都合の悪いことはすぐ忘れるか、なかったこととして平気で話す御仁だ。だが、やはり多くの人にこの石原氏の言葉を「今」思い出してもらうのは多少とも困惑するだろう。ただこういうことで困惑したら「負け」なので「人をよく言うためにヒトラーを持ち出すのはいいが、悪く言うためにヒトラーになぞらえることはやってはいけないこと。それは国際標準だ。(大意)」などとでたらめを平気で言う。「政策についてヒトラー流だというのはいいが、人の人格についてヒトラーのようだというのは、絶対にありえない。」などと「ヨーロッパでは」と付け加えながら言う。圧倒的に多数の日本人はヨーロッパでの言論の在り様について詳しくはない。それが橋下氏の付け目だ。
菅氏は橋下氏の弁舌の巧みさについて・・・石原氏と同じように評価して、それ自体を肯定するか否定的に見るかは異なるが・・・いっているのであって、政策についていっているのではない。でもそんなことはどうでもいい、ただただ論難、攻撃できればいいので、平気で問題をずらす。そして論敵に対しては「あなたは日本語も理解できないのか、文章をよく読め。」などと侮辱的な言葉を口走る。知識人や学者の場合にこういう言葉はひどく相手を傷つける、あるいは自尊心を傷つけて感情的にさせて敵失を生ませる。そこを突けば元の問題などどうでもいいというのが彼一流のケンカ業だ。正々堂々と議論する気など初めから無い。
こういうでたらめさこそ勝つ為の秘訣だというのが彼の信条だから、こんなご都合主義的な話でも顔色一つ変えずに口にできる。多分その面の皮の厚さをこそ石原氏は褒めたのではないだろうか。自身によく似た厚さだから。
- 2022/02/03(木) 00:00:03|
- 手作り市
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