熱心に練っています。
ガラス窓をコツ事と叩いてこちらに気付いてもらうというのは仕事の邪魔でしょうし、仕事中の人に対して失礼ですから、顔を上げてこちらを見るタイミングまでじっと待ちます。
そして顔を上げた時に、カメラを高く上げて、反対の手で指さして・「撮らせてもらってもいいですか?」という顔をします。
そうしたら手指で「OK」マークをしてくれました。

最近は多くの人がスマートフォンを持っていて、何でもかんでも写真に撮ります。自分にとって「いいなあ」と思えば即座に撮ります。相手かまわずです。
私は、写真愛好者ですからそういうことはしません。 写真愛好者が培ってきたエチケットを守り育てたいものです。

この写真は、半死半生のソニー・α900にキャノンのFD85ミリ F1.2を付けて撮っています。 私にしてはいいレンズを持っているでしょう?!
α900は私の設定を、私の了解なく変えて動作しますし、設定している途中で値がくるくると変わって定まらないことが度々出てくるようになりました。「撮らせてくださいね。」とお願いしても失礼な結果になることが発生しています。
これはもう一年以上も前からの事ですから、この間ずっと次のカメラを意識してきました。そこのとはこれまなんどもしつこいほど書いてきましたが、とにかく今出ているカメラは中古のも含めて文字通り「帯に短しタスキに長し」でして、「解なし」状態が続いてきました。
それで、「壊れて使えない≒カメラがない」になってしまっては話になりませんから、ついに決断の時が来ました。

この写真の撮影は、本当に気に入っていた、私が高く評価するこのカメラに対する気持ちに「引導を渡す」ためにしていました。
正月『元旦」から「引導」などという言葉は使わない方がいいのでしょうから「諦めをつける」と言い直しましょう。
それで、今年からは今までと全く違うカメラで撮ることになります。
私がもっているデジタル・カメラはソニー、キャノン、フジフィルムですが、なんとそのどの会社製でもないものです。ですから知識も関連資産も全くないという訳です。 果たしてこの決断や如何に、どういう未来になるのか。
マウントアダプターも手に入れなくてはならないですね。大出費の年初めです。

でも「まだこれから何年かは撮り続けたいのだろ?! だったら「今という条件の中でベターな選択をして、『人を撮る』活動を続けよう」と自身を説得してきたわけです。 年金生活者ですからハードルは非常に高いですがね(苦笑い)
2000人撮影。10回の個展。
これを達成をしようとすれば、次の頼りになるカメラは必要ですしね。

それにしても長い時間「次のカメラ」を考えて来て、今の日本の一部のカメラメーカーの心底が見えてきたし、写真文化についてもいろいろ考えさせられてきました。それはそれなりに良い経験だったと思います。
今やカメラ生産の状況は大きく変化していますが、結局、10年余り前に、キャノンやニコン勢の中でソニーの、しかもα900を選んだ時と同じ判断基準で、いろいろ妥協を余儀なくされながら選んだことになります。
さあこれから撮らせてくれる人たちの気持ちに応えられるような写真が撮れるでしょうか。
そうなるといいなあと思いながら、新しく手に入れたカメラとともに2022年を始めます。

除夜の鐘を撞かれ「百八つの煩悩」を払いにお出かけになった方もおられると思います。私は仏教に関する知識に乏しいので、その「百八つの煩悩」がどういうものかは知りませんが、人間にそれだけの悩みなり、煩いがあるとすれば、その反対にあたる・・・・例えば「憎」に対しては「愛」があるように・・・対の心なり思いがあるはずで、人間はそれだけ複雑、豊かな存在なんだろうと思います。人間の可能性を感じます。
私は「憎」を捨てることは同時に「愛」をも棄てることになるのだろうと考えていて、「煩い」なり「悩み」があってこその人間だと思います。なので、それを捨てるというか、そういうものを単純素朴に忌み嫌うというのはどうかなと思うのです。憎と愛(ただ仏教でいう愛は今日のLoveとは意味合いが違うんでしょうが)は対で存在し、相互に入れ替わる、相互に浸透する、相互に規定しあうというか、本質的には同一の心の裏表ではないかと思っているので切り離すことはできないと思っています。憎の在り様が愛の在り様も変えると。
で、鐘を撞くことはあっても「煩悩を払う、捨てる」ということを意識しません。この煩悩を抱えて生きていきますと自分に言います。
煩悩に苦しみ、悩み葛藤するからこそ人は深くもなるし成長もあるのだと思うのです。煩悩の存在こそ、人間の本質なのだと。
だから抱え続けて生きる方が良いのだと。
それで今年も私はどっぷりと煩悩の世界に浸かることになるのではないかと・・まあ、そういうことでまた今年も自分を甘やかしていくわけで、そのための理屈でした。
- 2022/01/01(土) 15:00:01|
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