ギャラリーの部屋に入ると、大きな鏡の前でその鏡に絵を描いていました。
曇りのない綺麗な鏡だったこともあって、その人の写った姿が鮮やかで、向こうとこちらがふと反転してしまうような錯覚に陥りました。

会場に来た人の姿をとらえて描いているんだそうです。
まず赤い油性マーカーで描き、それを白い修正ペンでなぞります。
下の赤が微妙に覗いていい感じの色具合になります。
鏡のガラスの厚みの効果もあるのでしょうか。

COVID-19の広がる世界に私たちを隔てているのが透明のシートです。
壁の作品は、その透明のシートを描いていました。そのシートの向こうに歪んだ曖昧になった像として見える人物はご自身だそうです。

でもそういう自身を描くというより、描いている対象はあくまで、しわで向こう側世界をゆがめ写し、私たちを遮っているシートです。

鏡に描かれた線はまるでこの空間に、空気に描かれているようで不思議な感覚です。
描いているご自身は油性マーカのフェルトの先を見つめていて、鏡に映る自分を意識していないんだそうです。
でも第三者的に見ていると、私はどちらにいるのかな・・・。

個展が終わるまでに、全面真っ白になるくらいに描きたいと・・・・・。
- 2021/11/04(木) 00:00:13|
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蒼樹さま
先日はありがとうございました!
お話させていただいて、新しい視点での解釈を聞くことができ、考えが深まりました。
記事にしてくださりありがとうございます。
コメントも添えてくださってとても嬉しいです。
この記事をFacebookなどでシェアさせていただけたらと思うのですが、よろしいでしょうか?
何卒よろしくお願いいたします。
吾郷
- 2021/11/04(木) 11:57:45 |
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