
久しぶりに通った道で畳屋さんが仕事をしていた。
話しかけたのはこの方のお父さん。 気さくに撮影をOKしてくれたお父さんが、外に用事があるというので、「奥にもいるし・・。」と息子さんを紹介してくれた。

実際の事は知らないけれど京都には案外畳を作る人工場(こうば)が多いような感じがする。
多分、寺社が多いことや和風料理店や旅館が多いことと関係しているのでしょう。

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以前、京都御所内の迎賓館に畳を納めたという職人さんとお話したことがありますが、素材から製作から収める作業から相当に神経を使ったようです。そしていいものができたとおっしゃっていました。
ここでもかなり高級なものから、団地用のものまでさまざまに製作されています。

我が家にもかろうじて8枚の畳が入っています。が、畳表こそイグサですが、畳床が石油由来です。
この部屋があるだけで随分気分が違います。
この方が今作っているのは全て石油由来です。

お父上にイグサの畳表と石油由来のモノを比べさせていただきましたが、イグサはいい香りがして落ち着きますし、独特の緑色が目にも気持ちいいです。
石油来の方は肌触りも汗を吸いませんしべたっとした感じで色も日に焼けたイグサ色で、それ以後は変色しないわけです。
最近は生垣に建てる支柱も色の変わらない長持ちするプラスチックの竹風のものが多く見られますね。
我が家も「どうしますか?」と訊かれましたが、竹を使ってもらいました。そうなると一年で退色し、数年で部分的に朽ちてきます。
でも、やはり竹がいい。

このころの建物は新建材で作られ窓もサッシで気密性も高いです。
壁は化粧合板で、畳も石油由来だと室内には湿気がたまり、換気をせっせとしないと…ちょっとした旅行に出かけた留守の間にも・・・カビが生えてしまいます。
その点伝統的な土壁やイグサの面で床が藁で作られた畳は湿気を「呼吸」してくれます。
引っ越してくる前の家は壁に珪藻土を塗ってもらいましたが、とても良かったです。
今の家は予算がなくてクロスです。
畳も伝統的なわらの床にしたいものです。でもこの家はそもそもそんな厚い畳は入れられない構造です。悲しい。

安価な住宅はありがたいですが、しかし、殊にマンションなどでは湿気によってカビが蔓延して子供たちの健康を脅かしている一面があります。もっともダニは発生しにくいでしょうが。
窓を閉めたまま、気密性の高い部屋で、加湿器や除湿器で・・・エネルギーを使って・・・調整する。
床はフローリングで、落ちた埃は積もるでけですから人が動くたびに舞い上げる。ここでまたエネルギーを使って空気清浄機を動かす。
畳ならその目に埃を捉えて舞い上がることを減らしてくれる。 まあその代わり一年に一度は天候の良い時に畳を起こして外に出し、叩いて埃を飛ばさないといけない。 今はそんなことをするだけの贅沢な「外」もなければ、埃を飛ばせば「音がうるさい」「埃を飛ばすな」と苦情殺到だろう。
節電節電といい、地球環境を守るために発電の仕方を考えようというが、電気エネルギーの多消費生活スタイルを根底的に問い直す時期だろうと思う。
畳の存在は、それにある問題提起をしているように私には思える。

夏の日なか、畳を敷いた部屋で大の字に寝転ぶ。あの快適さを思い出した。

この方が男性1000人目でした。 ずっと以前、総計で1000人に達した時に「我ながらよく撮ったなあ。」と少し思いましたが、今日は男性だけで1000人。一方は女性は814人で、なんとその差が200人ほどになってしまいました。この差を埋めることはもう不可能ですね。
- 2021/10/29(金) 00:00:02|
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