昨日は1回生の二人に登場してもらいました。きょうは4回生です。卒業制作展も終わり後は学校を離れるばかりです。
「土筆展」と名付けられた嵯峨芸術短大日本画コースを卒業する三人の展覧会です。
市立芸大や京都造形などの卒業制作展もみましたがそこに作者がいないためもあって「卒業していくんだなあ。」という感じをあまり受けずに見てしまいました。が、こうしていろいろお話をうかがいながら見ていくと、この時点でのお二人の思いが感じられて、昔の自分の卒業のころの感覚もよみがえり、少し切なくも思いました。
今日は3人のうちのお一人がおられないので写真は二人です。

3人の腕前はなかなかのものです。
「岩絵の具が使いきれなくて、最近なんとか使えるようになったけれどまだまだこれからだし、ずっと続けたい。」と抱負を語ってくれました。

お二人とも就職が決まって、「仕事しながら描き続けようと思っている」んだそうで、ぜひぜひ続けてほしいと思いました。それぞれに可能性を感じました。
「大学にいる時間をどう過ごしてきたか全部作品に出てしまうね。そういう意味ではしっかりと取り組んできたという感じを受けるなあ。」
実際スケッチを含めてブックにして見られるようになっていましたので見せてもらいましたが、「絵を描く」ことに正面から取り組んでいる真摯な姿勢がそれぞれの作品・習作から感じられました。
この方はイグアナやオラウータンを描いています。背景の植生も丁寧に描写されています。
露出がよくなくて絵の色が忠実に再現できていませんが、オラウータンはなやや赤みがかった鮮やかな黄色です。
(⇔)

ここのギャラリーはTake twoというのですが、人の流れの中心からは少し離れています。それでもいろいろな人が訪ねてきているようで、ずいぶん様々な話を聞いたそうです。
そういう経験が何よりですね。
実際、日本画家で少々野人的だけれども素晴らしい絵を描く方がいつも熱心にこの辺りのギャラリーに足を運んでおられます。織物や染めの方たちも案外こまめに歩いておられます。若い作家や学生を見ているとそういう方から吸収しようとしないで、ただ展示ができたことに満足して仲間内でおしゃべりに夢中になっている人たちをよく見かけます。何のためにこうして展示会をしているかとい言うことですね。
アンケートを書かせるばかりで直接自分の耳で批評を聞こうとしない姿勢には疑問を感じます。
その点このお二人は熱心です。

京都は日本画の学生にとってはよい環境です。

お二人はこれからもどんどん成長していかれると思います。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/03/09(金) 00:40:59|
- 絵画
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0