「一矢 報いる展」という命名、なかなかいいですよね。
今度の個展に拝借しようかな。
まだ大学を卒業して、そうは経っていないお二人の作品展です。

同じギャラリーの隣では「外出武装」という貴志在介さんと、菊池ルイさんのインスタレーションがあって、それを見に行ったのです。
で、その会場の奥に?この写真の方と、もう一人、友人の作品が展示されていて、興味を持ちました。

同時代ギャラリーのホームページにはこの人のこんな文章が書かれていました。
「当たり前にくる今日、明日は決して当たり前のことではなく奇跡みたいなものだと思う。人は皆この世に生まれてくることに意味があると思う。だとしたら私に何ができるだろう。私の描いた作品をみて沢山の人の気持ちを動かしたいと思い制作を進めている。」

筆や手指で厚塗りされた抽象画ですが、ところどころ顔や体などと判別できるものも描き込まれていて、人間が置かれているというか巻き込まれている生あるいは生活の状況が描かれています。
大変にエネルギッシュで、人を驚かせる力がありますが、しばらく見ていると作者の優しい心がじわっと見えてきます。

殴り描いているような画面の下に丁寧に筆を使って部分があったり、毛糸を塗りこめたような工夫も見られます。
向かって左手の作品(あるいは上の写真の作品)は大学在学中のものだそうです。
絵の勢いを見ていると、作者のこの人とがすぐにはぴたりと一致しませんが、先ほど書いたように、絵からにじんでいる優しさを捉えると、なるほどねと思います。


このギャラリーの、私の好きな窓辺で。

- 2021/03/25(木) 00:00:19|
- 絵画
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