竹工芸です。
編むための素材作りです。 竹を幅5ミリほどに割り、そしてこうして肉の部分を分けとります。

竹は繊維が縦に走り、切り込みを入れれば、最後まで刃物で切ることをしないで「割る」「割く」ということができます。
竹を割る際にも刃の薄いもので割くのではなくて、ある程度もの厚さで割り込みます。
その際、節を越えて割り込むためには、腕が必要です。 まして段階的に幅が細くなってきますので、そうなると節を割り割く瞬間に負ってしまったり、筋が変わってしまったりします。

私は、これまで口を利用して割く作業を見たことがありませんでしたので、ちょっと驚きましたが、考えてみれば便利な方法です。

私の歯は、母親譲りの弱い歯なのでこういう作業を直感的に思い浮かべることができないのかも知れません。

この方は、まあいわば「脱サラ」でこの世界に入ったのだそうです。
大きな企業にいて、全体の一部だけを受け持って、まあいわば歯車の一つでしたから、この仕事をお客さんが喜んでくれているのかもわかりませんでしたし、一から終わりまで自分でする仕事にしようと思って・・・ということで。
そう言う気持ちわかりますよね。
「労働疎外」ですね。
こういう気持ちが多くの働く人々の中うごめいているのじゃないでしょうか。
これは労働の宿命ではないのだということに日本国民も早く気付いてほしいものだと思いますが。いえ、それは皆が職人になったらよいということではなくて,大工業制や大企業の中で「考えること、仕事の目的を経営者に排他的に独占されていることをが問題なので、職場の民主化、それを可能にする所有制について考えるようにならないといけないですね。
- 2021/02/19(金) 00:00:01|
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