知識を求めて本屋や図書館に行く。
でもそこでは得られないことを教えてもらえるところがある。そこにいくと知識もだけれど知恵、体験を聞かせてもらえる。そして生身の仕事の姿と人となりを見せていただける。そこは私にとって、とても魅力的な「学習館」でもある、西陣織会館。
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私には「職人の世界≒男の世界」という観念が知らず知らずのうちに刷り込まれたままになっているようです。何人もの女性の職人さんと話し、応援する気持ちももっているはずだし、このブログでも女性の作家さんたちを紹介してきました。それなのにこうした情景に接すると「おっ?!」と思ってしまうのは、私には依然として古臭いジェンダー意識が固くこびりついているのでしょう。
写真の一番奥の方が友禅の下絵を描かれる方、次が手描き友禅の方、一番手前は扇(子)を作られる方。そしてこちらから二番目が今日登場していただく京友禅の絵師の方です。
(この写真はちょっといいなあと気に入っています。どこかに出したいなあ。どうでしょう。)

「凛」という文字がぴったりの姿でしょ?! カッコいいなあと思いますね。
(⇔*クリックしてご覧ください)

今ここで書いているモノは今度3月に開かれる「第17回京手描友禅作品展」に出品される予定のものだそうです。
いつももっと作品の色がよく出るように撮る工夫をするのですが、今日はうまくいきませんでした。
白とびをしてしまってちっとも色が出ません。
室内で撮るので「暗い」「色かぶりする」とう意識が強すぎました。

撮らせていただけるというお許しを得ているのですが、それは大概「2,3カットのつもり」でOKされたんではないかなという気持ちも私のどこかにあって、納得するまで撮りきれない気持ちの弱さも出ています。
いろいろお話を聞かせていただいたり、また私の撮影の意図などをかなりお話ししたうえで撮らせてもらうことになった場合はある程度「しつこく」撮るです。が、話の流れで・・・たとえば観光の方がどんどんと撮っているときに「私も撮らせてもらっていいですか。」「どうぞ。」という風に流れてしまった時にはかえって撮りにくいのです。

先ほどシャッターを切っていった外国の方はとっくにいません。
私は相変わらずお話をうかがいながら撮っています。
ご自分でも和服を着られることがありますかとお尋ねすると「あります。」とのこと。おかしな質問でしたね。
今描かれている菊の花がらの着物はちょっと着る人を選ぶと思いました。着物の卸問屋の奥さんの注文だということで少し納得がいきました。
若い方できれいな着物を着たいというだけの人では着物に負けてしまうでしょう。着慣れているということ、品が備わらないといけません。
この方自身に着てほしいなあと思いました。
テーマ:女性ポートレート - ジャンル:写真
- 2012/02/26(日) 00:05:41|
- 伝統工芸
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お久しぶりです。
2月の頭に、ささきさんのご紹介でお食事会に同行させていただいた者です。
兵庫の出張から戻り、バタバタとしつつもここのブログを見ていたのですが、見るだけで満足して全然コメントを残してなかったので、今回コメントしてみました(笑)
前回の紅型染めといい、今回の友禅、過去の記事にもいくつか工房などで実際に制作している姿を見て、写真も撮っているのは何とも羨ましい限りです…!
蒼樹さんが写真を撮っている横に私も居たかった!と何度も思ってしまいました(笑)
今回の記事に出てきている絵師さんなんて、すごく絵になっててかっこいいです。
男性陣に紛れて、紅一点。単純ですけど、かっこよくて憧れてしまいます^^
それに、一枚目の写真はなんだか私も気に入ってしまいました!本当、どこかに出されたらいいんじゃないでしょうか?(^o^)
- 2012/02/26(日) 23:45:41 |
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- あさの #-
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お久しぶりですね。
早速「出張」ですか。大変ですね。
この頃は女性に勢いがあり、「意気」を感じさせるのも女性が多いような感じです。思い込みかな。
熟練をした仕事をする人は「雰囲気」を持っていますね。京友禅の絵師の方には・・無骨ではない・・柔和な気骨を感じました。
写真を楽しんでいただけてうれしいです。
「見るだけ」じゃなく、ぜひこれからもコメントください。
「豚(私)もおだてりゃ木に登る。」 私の座右の銘です。
- 2012/02/27(月) 20:06:19 |
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- soujyu2 #-
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