吹く風が少し冷たくなってきたころ。
私のギャラリー巡りが時々この道を通る。 時間のない時には「こんにちは~」と声をかけてを振って通り過ぎる。すると銅心さんも、こちらを一瞥して手を振り「元気にしてるか~?」と。

少し余裕のある時には傍らに腰を下ろして話す。
いまは、SARES-Cov2のことがあるから、こんなオープンスペースでも少し遠目に場所を占める。
銅心さんも私も高齢者だし。

彼はひどく暑くてもたまらなく寒くても16:00までは腰をあげない。
16:00まではそこにいるだろうと、いてほしいなあと思って来る人がいるからだ。いや、いないかもしれない、が、来るかもしれない人に対して「わしがいないと・・・・。」と思って座っている。 何も商売のために一つでもう売れるチャンスを逃したくないと思ってそうしているのではない。

時に随分遠方から彼に会いに来る人がいるのだ、何人も。
彼は言う。「この頃、時にコロナの影響もあって心が痛んでいる人が増えている。特に若い女性と・・・・昔で言えば・・・思秋期の女性たち。
そういう人がただ銅心さんに話を聞いてほしくて尋ねてくる。
建物の陰からしばらく様子をうかがっていて、意を決して近づく人もいる。
そういう意味では私などが長話をしていると、具合が悪い。

この人の、いわば地べたに近い視点からすると、今の政治は言いようがないくらい冷酷でひどいという。
政治の動きも、政治家の言動についてもよく知っていて批判は鋭い。
評論家ぶった言葉でもなく、シッタカブッタ言い回しもない。

この人の目の前では取り繕った善人ぶりや知ったかぶりは通用しない。
だからと言って人を面罵したりするような人ではない。そういうことをするが詰まらないことだということをよくご存じなのだ。
京都には実に数多の寺社がある。壮麗な伽藍に居まして、高級そうな僧衣などをまとってぬくぬくとして説教を垂れているものたちよりどれだけ人を救っているかわからない。
- 2020/12/20(日) 00:00:33|
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